2022 Fiscal Year Research-status Report
肺癌に対する非ウイルス遺伝子改変CAR-T細胞を用いた新規治療法の開発
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21K15547
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
三浦 健太郎 信州大学, 医学部附属病院, 助教(特定雇用) (70624716)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | CAR-T細胞療法 / piggybac / 肺癌 / 血液腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗原X(IGF1R)を標的とする新規リガンド型IGF1R CAR-Tはin vitro試験において高い抗腫瘍効果を示すことを第28回遺伝子細胞治療学会で報告した。その後、THP-1を用いたマウスモデル試験をおこなったが、予想に反し、期待された抗腫瘍効果がみられなかった。そこで、我々はマウスとヒトで高い相同性を有し、かつIGF1RのリガンドであるIGF1に結合しうる分子αおよびβを見いだし、これの影響を受けない変異型IGF1R CAR-Tの開発にとりかかった。 具体的には、IGF1のN末端配列に存在するGPEを除くDes1-3 IGF1であり、これは従来型のIGF1R CARTと比較して、血液腫瘍ならびに固形腫瘍(肺腺癌、子宮頸がん)に対してより高い抗腫瘍効果を発揮した。また、分子αおよびβそれぞれによる影響を評価するために、プレートにIGF1Rを固相化し、各分子をCAR-Tと同時に投与し、24時間後の上清に含まれるサイトカインを測定する実験系を構築したところ、予想通り、従来型は分子の影響を受けてサイトカイン分泌量が著名に低下するものの、変異型であるDes1-3ではその影響は小さく、十分なサイトカインを分泌することが明らかとなった。しかし、これでもなおTHP-1を用いた同様のマウスモデルにおいて十分な効果がみられなかった。しかし、T細胞数を調整した別の実験では、驚くべきことに、day28において、従来型IGF1R-CARTはマウス血中に多数存在していた一方で、Des1-3 IGF1R-CARTはほとんどみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予想に反し、マウスモデルで十分な抗腫瘍効果が見られなかったことから、その原因を検索するために時間を要したが、現在すでにその原因を特定し、検証中である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年は最終年度であり、分子αおよびβに影響を考慮した変異型IGF1R CAR-Tのマウスモデル試験をおこない、その効果を検証する。また、安全性についても動物モデルを用いて検証する予定である。その後、本研究の成果を国内および国際学会で報告し、同時に論文作成にとりかかる。
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Causes of Carryover |
当研究は小児医学教室との共同研究として実施しており、試薬や培養液購入費用として計上していた分の一部は小児医学教室が負担したため。
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Research Products
(3 results)