2022 Fiscal Year Research-status Report
Malignant tumor treatment strategy using a combination of oncolytic virus and carbon nanotubes
Project/Area Number |
21K15568
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
作田 智彦 広島大学, 病院(医), 助教 (60878289)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 悪性腫瘍 / 骨肉腫 / 腫瘍溶解性ウイルス / カーボンナノチューブ / VSV |
Outline of Annual Research Achievements |
VSVによる腫瘍溶解効果とCarbon nanotubes (CNT) による光温熱療法を組み合わせによる骨肉腫に対する腫瘍殺傷効果を調べた(VSV+CNT群)。 In vivoで6週齢C3Hマウスの背部にマウス骨肉腫細胞LM8(1 X 107 cells)を移植し (day0)、骨肉腫マウスモデルを作成した。LM8移植後1週後 (day7) にVSV及びCNT溶液を局注して近赤外線レーザーを1日あたり10分間、連続7日間照射し、その後 (day14) 腫瘍を辺縁切除して腫瘍体積及びマウス死亡後の局所再発、遠隔転移、生存期間を確認した。比較対象としてVSV単独注射群(VSV群)、CNTによる光温熱療法単独群(CNT群)、未治療群でも腫瘍体積、局所再発、遠隔転移、生存期間を評価した。腫瘍体積についてはVSV+CNT群は他の3群と比較して腫瘍体積は小さい傾向にあった。局所再発についてはVSV+CNT群に局所再発例はなかった。遠隔転移と生存期間については4群間で有意差はなかった。VSVによる腫瘍溶解効果とCNTによる光温熱療法を組み合わせは原発巣縮小をもたらし、さらに辺縁切除での局所再発の減少に寄与する可能性があることが示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度の研究計画調書の予定は概ねすべて完了した。 具体的には骨肉腫マウスモデルを作成してVSV+CNTを局注して、近赤外線照射及び腫瘍辺縁切除を行い、腫瘍体積、局所再発率、遠隔転移率、生命予後を評価した(VSV+CNT群)。VSV単独投与群(VSV群)、CNT単独投与群(CNT群)、未治療群についても同様の評価を行い、比較解析した。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後追加でカーボンナノチューブを購入する必要は出てくると思われるが、現在保有している設備にて研究を続行可能である。 引き続き研究計画調書の予定通りすすめていく。 具体的には骨肉腫マウスモデルを作成し、CNT及びVSV+CNTによる抗腫瘍治療後、腫瘍の周囲組織(周囲軟部組織、肝、腎、腸、肺、心蔵)を摘出して標本(HE標本)を作成し、組織学的に炎症細胞浸潤や組織壊死率を評価して安全性について確認する。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染による発表のための出張の機会が減少したため旅費が減少した。また、カーボンナノチューブの使用量が当初の予定よりやや少なかったため繰越金が生じた。次年度は学会発表や論文投稿料に充てていく計画である。
|