2023 Fiscal Year Annual Research Report
分子バーコードを用いたNGS解析でのctDNA評価による乳癌の遠隔再発リスク診断
Project/Area Number |
21K15591
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉波 哲大 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (30894240)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ctDNA / Breast cancer / non tumor-informed assay / risk of recurrence |
Outline of Annual Research Achievements |
術後遠隔再発をきたした乳癌症例を対象に、初診断時に採取された血漿を検体とし、分子バーコードを用いたctDNA解析を行い、その結果が遠隔再発のリスク診断に有用であるかどうかを検討することを目的とした。 ctDNA解析にはnon tumor-informed assayを用いた。non tumor-informed assayは、腫瘍組織のゲノムプロファイリングを行わず、一般的に乳癌で多く認められる変異を網羅的に測定する検査である。近年注目されているtumor-informed assayは腫瘍組織のゲノムプロファイリングに基づき症例固有の標的を設定しctDNA解析を行うが、腫瘍組織のゲノムプロファイリングが一定の割合でできない場合があることや、腫瘍組織のゲノムプロファイリングを行う分結果返却までの時間が長くなるといった問題があった。non tumor-informed assayそれらの問題点を克服しうる検査であるが、その一方で感動の低下が懸念されている。その対策として、対象とする変異には、塩基置換や挿入・欠失といった変異に加え、乳癌に幅広く認められるメチル化変異も含められている。メチル化変異を対象とすることで感度が著しく向上しすると言われているが臨床でのデータは十分ではなく、本研究では、non tumor-informed assayの感度を同時に、メチル化変異の重要性を検討をした。結果は、5例の再発症例中4例の術前診断時の検体でctDNAを認め感度は十分担保されていた。また、4例ともメチル化変異が検出されており、non tumor-informed assayにおけるメチル化変異が重要であるとことが分かった。
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