2022 Fiscal Year Research-status Report
In depth proteomics of peritoneal lavage fluid for prediction of peritoneal recurrence
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21K15606
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川勝 章司 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (20895982)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 膵癌 / 腹腔洗浄液 / 転移再発 / プロテオミクス / 自己抗体 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌はもっとも予後不良な固形癌であり、外科的切除後1年以内に約50%が、2年以内に約80%が再発をきたすなど、切除可能膵癌であっても、いまだに予後は極めて不良である。術後再発としては、肝転移と腹膜播種が多く、それぞれ約40%、20-30%の頻度で起こる。現在腹膜播種の診断法として術中腹腔洗浄細胞診が行われているものの、その臨床的意義は、いまだ十分に定まってはいない。その一方で、最近、膵癌腹膜播種に対しての腹腔内化学療法の有用性が報告されるなど、腹膜播種再発の予測バイオマーカーの重要性は増している。腹腔洗浄液中のタンパク質や自己抗体は、腫瘍DNAなどとともに、癌の腹膜播種予測に有用なバイオマーカープラットフォームとなりうる。本研究では、膵癌の腹膜播種再発症例や非再発症例などから外科手術時に得られた腹腔洗浄液検体を用いて、タンパク質と自己抗体結合抗原の網羅的かつ高深度なプロファイリングを行う。現在までに、膵癌手術例49例、胃癌手術例165例、大腸癌手術例205例から腹腔洗浄液を収集した。膵癌手術例49例の中で3~15カ月(平均8.4カ月)後に転移再発した8例について、性別、年齢、ステージをマッチさせた膵癌手術例のうち18~45カ月(平均25.5カ月)再発が見られなかった8例を対照として、腹腔洗浄液の遊離タンパク質と自己抗体結合抗原についてマススペクトロメトリーを用いた解析を行った。現在データ解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、腹腔洗浄液の収集を継続し、膵癌手術例49例、胃癌手術例165例、大腸癌手術例205例からの腹腔洗浄液検体を集積した。膵癌手術例49例の中で3~15カ月(平均8.4カ月)後に転移再発した8例について、性別、年齢、ステージをマッチさせた膵癌手術例のうち18~45カ月(平均25.5カ月)再発が見られなかった8例を対照として、腹腔洗浄液の遊離タンパク質と自己抗体結合抗原についてマススペクトロメトリーを用いた解析を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
プロテオームデータの解析を進めて新規膵癌再発予測バイオマーカーを同定する。有望なバイオマーカー候補については、独立した腹腔洗浄液検体を用いて検証を行う。
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