2022 Fiscal Year Research-status Report
Identification of spatiotemporal brain activity patterns triggering global state changes in functional brain networks
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21K15610
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
福嶋 誠 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (70836452)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脳機能ネットワーク / 安静時脳活動 / 時変ネットワーク / モジュラリティ / 機能的分離・統合 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,脳機能ネットワークにおいて「分離状態」と「統合状態」間の大域的状態変化が生じる現象へのより深い理解を得ることを目的として,この大域的状態変化,安静時において繰り返し生じる脳活動時空間パターン,そしてこれらの背後にある脳構造ネットワークとの間の関係性を解析することに取り組んだ.本研究では,時変脳機能ネットワークおよび脳構造ネットワークを構築する際に,ヒト脳イメージングデータベースConnectomeDB(研究コンソーシアムThe WU-Minn Human Connectome Projectが公開)からダウンロードした安静時fMRIデータおよび拡散MRIデータをそれぞれ用いた.脳活動時空間パターンの抽出方法としては,抽出したパターンと脳構造ネットワークとの間の関連性に着目するため,前年度において試行したiCAPs法ではなく,グラフフーリエ変換法を用いた.具体的には,脳活動(安静時fMRI)データを,脳構造ネットワークのラプラシアン行列に対して固有値分解を行うことによって得られたハーモニクスと呼ばれる基底を用いて分解し,解析の対象とする脳活動時空間パターンを得た.この分解によって得られた脳活動パターンから,各時刻における脳活動と脳構造ネットワークの関連性を定量化することができる.この関連性の時間変化と分離・統合状態間の時間変化を対応づけることを通して,脳活動パターン・脳構造ネットワーク・大域的状態変化の三者を統合的に取り扱うことを可能にした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に策定した「今後の研究の推進方策」におおむね沿った形で,抽出した脳活動時空間パターンを精査することや,脳活動パターン・脳構造ネットワーク・大域的状態変化の間の関係性を解析することを実施できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後も脳構造ネットワークを介した脳活動パターンと大域的状態変化の間の関係性解析に引き続き取り組み,このことを通して脳機能ネットワークの大域的状態変化の生成に寄与する脳活動パターンを明らかにすることを目指す.
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Causes of Carryover |
次年度に異動し自身の研究グループを立ち上げることになり,主に計算機購入に関する予算計画を再度見直すことに至った結果,次年度使用額が生じた.当該助成金は次年度配分額と合わせて計算機購入の原資とするほか,近年コストが増大している研究成果発表費用にも充当することを計画している.
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Research Products
(5 results)