2022 Fiscal Year Research-status Report
脳梗塞神経幹細胞移植治療におけるA2アストロサイトの分化制御機序と役割の解明
Project/Area Number |
21K15620
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
若井 卓馬 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (30456446)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 神経幹細胞 / 分化誘導 / 脳梗塞 / 軸索再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では脳卒中に対する神経幹細胞移植の治療メカニズムを解明し、神経幹細胞移植の脳卒中患者への臨床応用を目指しており、特に移植神経幹細胞のアストロサイトへの分化誘導機序、さらには移植後にアストロサイトに分化した細胞の軸索再生における役割を解明することを目的としている。 本年度は、主に、マウス脳より採取した、神経幹細胞を培養し、OGDを用いた低酸素負荷や過酸化水素水暴露による酸化ストレスによる細胞障害機序に関する実験を行った。虚血負荷および酸化傷害が、神経幹細胞の分化誘導に対してどのように作用するかを検討した。 さらにIn Vivoではマウス一過性全脳虚血モデルを作成し、虚血後の経時的な神経機能回復の程度と虚血部位の体積測定をおこなった。また、虚血負荷後の軸索再生に関する免疫染色の実験も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウス中大脳閉塞モデルの関しては、ある程度コンスタントに虚血負荷を与えることができるようになったが、神経機能的な障害の程度がまだ安定していない。培養神経幹細胞におけるOGD負荷に関しては結果にややばらつきがあるものの、過酸化水素水による細胞傷害実験に関してはおおむね予定通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、脳虚血モデルに神経幹細胞を移植し、移植細胞の分化程度を測定する。特にアストロサイトに分化した細胞のA1,2への分化程度の比較を行う。また培養細胞では神経幹細胞からアストロサイト分化誘導にかかわる因子の検討を行う。
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Causes of Carryover |
昨年は、脳虚血モデルの神経機能的な評価が安定せずに、その後の脳の免疫染色や、タンパク測定などの実験が、予定より若干遅れたため、抗体などの試薬にかかる費用が予定より少なく済んだ。次年度は、これらの実験を行うために、必要な抗体、試薬の購入が予定より多くなる予定。
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