2023 Fiscal Year Research-status Report
脳梗塞神経幹細胞移植治療におけるA2アストロサイトの分化制御機序と役割の解明
Project/Area Number |
21K15620
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
若井 卓馬 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (30456446)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 神経幹細胞 / 分化誘導 / 脳梗塞 / 酸化傷害 / アストロサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では脳卒中に対する神経幹細胞移植の治療メカニズムを解明し、神経幹細胞移植の脳卒中患者への臨床応用を目指しており、特に移植神経幹細胞のアストロサイトへの分化誘導機序、さらには移植後にアストロサイトに分化した細胞の軸索再生における役割を解明することを目的としている。 本年度は、昨年に引き続きマウス脳より採取した神経幹細胞を培養し、OGDを用いた低酸素負荷や過酸化水素水暴露による酸化ストレスによる細胞障害下での、アストロサイトのストレス応答につき、western blottingや免疫染色を行い、検討をおこなった。また神経幹細胞のアストロサイトおよび神経細胞への分化誘導における虚血障害および酸化障害の影響についても検討した。 さらにIn Vivoではマウス一過性全脳虚血モデルを作成し、移植神経幹細胞の分化誘導の程度を免疫染色にて検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
In vitroの実験では、酸化ストレス化において、神経幹細胞ではpAKTなど細胞活性シグナルの発現が変化し、これらの変化がが神経幹細胞の増殖に関与している可能性が示唆された。同時にこれらの細胞内シグナルの増減が、神経幹細胞の分化誘導にも関わっている可能性があり、現在も検討中である。マウス脳梗塞モデルに移植した神経幹細胞の多くは、アストロサイトに分化誘導されることがわかり、現在、このアストロサイトへの分化誘導に関する因子についても検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はpAKTの下流のシグナルについて検討する予定である。またこれらのシグナルを拮抗することで、分化誘導に変化がでるかを検討する。移植前の神経幹細胞の分化誘導や、虚血後の神経機能回復に及ぼす影響に関しても検討予定である。
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Causes of Carryover |
神経幹細胞の培養のための動物と、脳虚血モデル作成に要する動物の数が、当初の予定よりやや少なかったことと、在庫にあった、試薬や、抗体、実験器具などを使用できたことで、予定との差額が生じた。今後の使用計画としては、動物モデルを使用したIn vivoの研究のためのマウスの購入と、免疫染色、western blotの追加実験のための抗体の購入さらに統計ソフトなどの購入についても検討している。またこの研究のために購入したPCのACアダプター接続部の不調があり、修理を検討している。必要であれば新規にPCを購入する必要がある。
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