2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K15629
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
岩原 直敏 札幌医科大学, 医学部, 助教 (00613085)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | SIRT1 / Actin / 細胞膜修復 |
Outline of Annual Research Achievements |
C2C12細胞およびCOS細胞を用いた細胞系での検討において,SIRT1活性化薬であるレスベラトロールが細胞膜修復を促進することを確認し,またマウスの骨格筋から分離した単一筋繊維においても,レスベラトロールの効果を確認した. レスベラトロールの効果は,SIRT1をノックダウンした細胞および,SIRT1ノックアウト動物由来の筋繊維では確認できないことから,レスベラトロールはSIRT1を介して細胞膜の修復を促進していると考えられた. 次に,細胞修復部位でのアクチンの集積がレスベラトロールによって促進され,アクチン骨格の形成に関わるCTTNが同部位に集積することを確認した.またSIRT1によってCTTNは脱アセチル化され,アクチンと結合が強まることを確認した. 以上の結果から細胞家において,レスベラトロールはSIRT1-CTTNの経路を介して細胞膜直下のアクチン骨格の修復を促し,最終的に細胞膜に修復に関与することが確認した.このことからMDXマウスや筋ジストロフィー患者においてレスベッラトロールが症状を改善する機序として,SIRT1-CTTNによるアクチン骨格の形成があると推測された. 一方で,SIRT1ノックアウト動物では他の細胞膜修復蛋白の発現が有意に増加しており,膜修復もまた正常マウスより促進されていることを確認した.この結果から,SIRT1ノックアウト動物での易損傷性は,筋繊維そのものの脆弱性からきていると推測された. SIRT1ノクアウト動物の骨格筋を対象とした質量解析では,SRに関与する分子群の減少が確認されたことから,これらのオルガネラの機能異常のが影響している可能性がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SIRT1活性化薬がEx vivoのモデルにおいても骨格筋修復を促進することを確認し,またSIRT1の標的分子の道程にも成功した.
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Strategy for Future Research Activity |
SIRT1ノックアウト動物での骨格筋の脆弱性の機序解明を進める. ノックアウト動物の骨格筋の電顕象の確認,伸長性収縮による損傷の評価を進める予定です.
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Causes of Carryover |
当初の計画よりも,物品費が抑えられたため残額が生じた.
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