2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K15629
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
岩原 直敏 札幌医科大学, 医学部, 助教 (00613085)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | SIRT1 / 骨格筋 / 膜修復 / オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
C2C12細胞およびCOS細胞を用いた細胞系での検討において,SIRT1活性化薬であるレスベラトロールが細胞膜修復を促進することを確認し,またマウスの骨格筋 から分離した単一筋繊維においても,レスベラトロールの効果を確認した.. 次に,細胞修復部位でのアクチンの集積がレスベラトロールによって促進され,アクチン骨格の形成に関わるCTTNが同部位に集積することを確認した.一方で,SIRT1ノックアウト動物では他の細胞膜修復蛋白の発現が有意に増加しており,膜修復もまた正常マウスより促進されていることを確認した.この結果 から,SIRT1ノックアウト動物での易損傷性は,筋繊維そのものの脆弱性からきていると推測された.以上の結果はSci Rep. 2022 Sep 12;12(1):15328.に報告した. 次に,SIRT1ノックアウト動物の骨格筋が脆弱になる原因としてオートファジーの関与を考えた.SIRT1ノックアウトマウスに運動負荷を加えたところ,オートファジー不全を示唆するp62の蓄積がある筋繊維を認め,その一部の繊維は壊死に至っていた.この結果から,筋繊維が壊死する前に,オートファジーもまた障害されることが示唆された.またC2C12細胞を用いた検討より,既存のオートファジー関連分子の一つ(Gene Aとする)がSIRT1と結合し,脱アセチル化を受けることを確認した.Gene Aはオートファゴソームの形成に関与する分子であり,SIRT1は,Gene Aを介して,オートファジーを促進する可能性がある.現在SIRT1-Gene Aが,SIRT1ノックアウトマウスでの骨格筋の脆弱性に関与するか検討を続けている.
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Research Products
(2 results)