2021 Fiscal Year Research-status Report
インフルエンザ脳症の発症機序解明ー感染症に伴う脳病変共通の治療法開発を目指して
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21K15638
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
木村 志保子 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 難治性疾患研究開発・支援センター, 研究員 (70824184)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 急性脳症 / 脳浮腫 / 感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的1 インフルエンザ関連脳症(IAE)動物モデルの妥当性の検討1)IAEモデル動物における組織学的変化等を検討する。我々が作成したIAE動物モデル脳において、組織学的には、血管原性浮腫、びまん性出血、血管内皮細胞の剥離と数の減少、活性型アストロサイトの増殖や突起断裂が認められ、これはヒト剖検脳の所見と似通っていた。現在ウイルス学的検討をすすめているところである。 研究目的2 IAE発症までの空白時間に関与する因子を特定する。1)IAE動物モデルにおけるウイルス学的検討を行う。上記のアストロサイトや血管内皮細胞の変化は、ウイルス投与後時間を経るとともに増強し、出血は48時間から認められた。特定の場所はみつかっていないが、現在ウイルス蛋白やRNAを含めたウイルス学的検討が進行中である。2)ウイルスの活動を阻害する物質を用いて、IAE動物モデルの病態変化を検討する。現在抗ウイルス薬等複数の薬剤等を用いて、また投与時間を変えて研究を遂行中である。薬剤効果は投与時間により異なることがすでに判明している。 研究目的3 ヒトIAE脳等を用いて発症因子を同定する。1)IAE 脳を利用し各種omics を用いたIAE 発症因子を同定する。ヒトautopsy脳については、手続きが終了し、実験を開始した。染色において、IAEモデル脳と同様の変化が認められており、ウイルス学的検討をさらに進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インフルエンザ脳症モデルマウスの作成がほぼ完成していたため、スムーズに次の検討に進むことができた。 懸案事項であった、ヒト剖検脳の倫理委員会等も提供元病院の先生方の多大な協力のもと問題なく進み、現在ヒト剖検脳とモデルマウス脳の比較検討が可能になっている。 2022年度末もしくは2023年度には業績化したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
順調にすすんでいるため、大きく方向は変えず施行していく予定である。 今年度はウイルス学的検討を中心に研究をすすめていく予定である。
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