2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K15640
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西川 真子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30779369)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 血小板凝集塊 / 血栓症 / AI解析 / 医工連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体内の血栓症には,アテローム血栓性脳梗塞や急性冠症候群などの動脈血栓と,深部静脈血栓症や肺塞栓症などの静脈血栓がある.動脈血栓症の主な原因は,シアストレスや動脈硬化等で傷ついた血管内皮が起点になり活性化された血小板であり,アテローム血栓症を発症した患者には,再発リスクを低減するためにアスピリンやクロピドグレルなどの抗血小板薬が広く臨床利用されている.また静脈血栓症の発症にも血小板活性化が関係するとの報告もある.血小板の活性化と凝集は,血栓症の発症プロセスにおいて重要な役割を担っており,その詳細な解析は血栓症の早期診断や重症化リスクの予測に繋がる可能性がある.しかし生体内の血小板の活性化,凝集を定量的かつ統計的に検討するツールはなく,あまり注目されてこなかった. 我々の研究グループは血液中の血小板凝集塊を正確に測定する技術開発を行い,血液中の血小板および血小板凝集塊を高速・高感度光学撮像装置で一つずつ迅速かつ大量に撮像し,その形態学的特徴を解析する技術を開発した.この解析系を用いて,当院の血栓性疾患患者の血液中の血小板,血小板凝集塊の解析を行った.同時に解析した健常人血液と比較して,COVID-19患者,心臓カテーテル検査目的に入院した患者、静脈血栓症を発症した患者血液で血小板凝集塊の出現比率の増加を認めた.さらに血管狭窄を模倣したマイクロ流路を用いて解析を行い,アテローム性血管狭窄によって形成される血小板凝集塊と循環因子の相乗効果と,抗血小板薬添加による血小板凝集塊の消退を確認した.
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Research Products
(11 results)