2023 Fiscal Year Annual Research Report
臨床検査への応用に向けたトータルネットコレステロール引き抜き能評価法の開発
Project/Area Number |
21K15641
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
亀田 貴寛 帝京大学, 医療技術学部, 講師 (80758558)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高比重リポタンパク / 粥状動脈硬化 / コレステロール引き抜き能 / リン脂質引き抜き能 |
Outline of Annual Research Achievements |
動脈硬化性疾患の予防に血中のリポ蛋白コレステロールの管理が社会的にも求められている。しかし、基準範囲にも関わらず心血管イベントを引き起こす残余リスクの存在が新たに注目され、現在、リポ蛋白をターゲットにした治療・予防戦略は「量から質」への転換期を迎えている。HDLが担う動脈硬化に対する多彩な機能として、マクロファージなどの末梢細胞からのコレステロール引き抜き能(CEC)、抗酸化能、抗炎症作用、内皮機能保護作用、抗血栓作用などが示されている。特にCECはHDLコレステロールより優れた心血管疾患のリスクマーカーとして世界的に期待されている。一方で、HDLは病態や炎症によって化学的修飾を受けることが知られており、我々はMyeloperoxidaseによる酸化修飾がHDLの一部の抗動脈硬化機能を減弱させることを報告した。これらのリポタンパクの修飾の影響と並行して、そのCECを測定することは粥状動脈硬化による心血管疾患のリスク評価に特に有用であると期待されている。我々は蛍光標識コレステロールを用いた固相化リポソーム結合ゲルビーズ(immobilized liposome-bound gel beads;ILG)法によるCEC測定法を確立した。 ILG法は臨床現場で実施可能であるが、ビリルビンがCEC値に正の誤差をもたらすことが明らかになった。ILG法の測定波長域の設定でビリルビンが蛍光を発することがわかった。励起波長を変更することで、ビリルビンによる陽性誤差を約70%改善することができた。さらに、ビリルビンオキシダーゼを利用することで、CECの偽高値を約80%改善することができた。蛍光標識コレステロールを用いたCEC測定においてビリルビンの影響を回避することで、ILG法を用いたCEC評価の改善に成功した。
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[Presentation] Association between CEC measured by immobilized liposome-bound gel beads method and the size of lipid-rich coronary artery plaque.2023
Author(s)
Miyakoshi T., Horiuchi Y., Araki M., Yonetsu T., Watanabe M., Nakamura M., Kameda T., Yoshimoto A., Ichimura N., Tohda S., Tozuka M., Sasano T., Ohkawa R.
Organizer
Scientific Session of the American Heart Association 2023.11.09 Philadelphia
Int'l Joint Research
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[Presentation] Correlation of ABO antibody titers with physiological/biochemical parameters in Japanese blood donors, and comparison between donors of 2010 and 2021.2023
Author(s)
Masamichi Mikame, Nelson-Hirokazu Tsuno, Yoshino Miura, Hideaki Kitazaki, Daisuke Uchimura, Toru Miyagi, Toru Miyazaki, Takayuki Onodera, Wataru Ohashi, Takahiro Kameda, Ryunosuke Ohkawa, Shuichi Kino, Kazuo Muroi.
Organizer
The 33rd Regional ISBT Congress in Gothenburg, Sweden, from June 17-21.
Int'l Joint Research
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[Presentation] 献血者における抗A・抗B抗体価 低下の調査~2010年と2021年の比較および生化学検査結果・BMIとの相関~.2023
Author(s)
三瓶雅迪, 三浦佳乃, 北﨑英晃, 内村大祐, 宮崎 孔, 宮城 徹, 小野寺孝行, 大橋 恒, 亀田貴寛, 大川龍之介, 津野寛和, 紀野修一, 室井一男.
Organizer
第71回 日本輸血・細胞治療学会 2023.5.13 千葉