2021 Fiscal Year Research-status Report
血小板を用いた後天性骨髄不全症候群の疾患鑑別法および骨髄造血能評価指標の確立
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21K15645
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
桝谷 亮太 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (30860762)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 血小板 / 骨髄不全症候群 / 骨髄造血能評価指標 / フローサイトメトリー |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、後天性骨髄不全症候群のうち,骨髄異形成症候群,再生不良性貧血,原発性骨髄線維症,発作性夜間血色素尿症の患者を対象とし,血小板異常を伴う疾患対照として特発性血小板減少性紫斑病および本態性血小板血症の患者および正常対照には,血小板異常を伴わない無作為に抽出した患者の血液を用いて、予備実験を行った. 検討内容として、血小板をフローサイトメーターにより測定するためのサンプルの取扱い方法を確立するために、対象の末梢血をそのまま使用する群、多血小板血漿(PRP)を作製し,PRPを用いる群に分けた。さらに、活性化しないようにThromboFix Platelet Stabilizer (Beckman Coulter Inc)などの試薬を用いて固定処理を行った群と固定処理を行わない群を組み合わせて、合計4群のサンプルをフローサイトメーター:NAVIOS (Beckman Coulter Inc)にて前方散乱光(FSC)と側方散乱光(SSC)を解析し細胞の大きさと内部構造の数値にどのような影響があるか確認した。 結果、固定試薬を用いる群と用いない群では、血小板の染色や洗浄のための遠心操作などによって活性化マーカーに変化が認められたため、厳密な検査を行う場合は固定処理を行うほうがいと考えれらた。一方、固定処理には時間と手間を要するため、簡便で有用な検査法の確立においてはさらなる工夫が必要であると考えられるため、引き続き検討を行う。 次に、対象の血小板内ミトコンドリア量および活性をMitoTracker;(Thermo Fisher Scientific)などのミトコンドリア用プローブを用いて染色し、フローサイトメトリーにて解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サンプルの調整方法を確立するため、さまざまな条件において調整を行い、概ね完了した。今後は実際の症例において各マーカーの発現率や血小板内部構造を反映する指標を用いて疾患判別のスクリーニングマーカーとして有用となるものを検索する。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、フローサイトメーターを用いた検討を実施する。 対象症例の血小板膜表面糖鎖を解析し,特にPNH症例において赤血球や顆粒球と同様に血小板膜の糖鎖にペプチドの構造変化が生じているか確認する.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス蔓延による出張などの旅費の不使用および物品購入量が少なかったため。
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