2021 Fiscal Year Research-status Report
早期大腸癌に特異的なmicroRNAの同定とその機能解析
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21K15646
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
千代 大翔 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (50769346)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 大腸癌 / microRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
microRNA(miRNA)は種々の疾患の成り立ちに関与しており、大腸癌との関連も報告されているが、早期大腸癌におけるmiRNAの関与は明らかにされていない。そこで前癌病変としての腺腫を含む早期大腸癌のESD標本を用いて早期大腸癌のバイオマーカーとなりうる新規miRNAの探索および腫瘍浸潤に関与するmiRNAを同定することを目的とし、大腸腫瘍のESD15例の切除生標本から腫瘍部15サンプル、非腫瘍部15サンプル、計30検体を採取した。上記の腫瘍部、非腫瘍部の組織サンプルからtotal RNAを抽出し、2555遺伝子数が搭載されたmiRNAアレイを用いて網羅的に解析を行った。クラスター解析では腫瘍部と非腫瘍部は明らかに異なるクラスターを形成しており、非腫瘍部と比較して腫瘍部でUp-regulateしている分子を11分子、Down-regulateしている分子を15分子同定した。arrayで有意な変化を示したmiRNAをreal-time PCRで検証したところ、miR-452-5pが早期大腸癌の腫瘍部分において増加していることが判明した。 続いてmiR-452-5pを大腸癌細胞株CACO-2にトランスフェクトし、増殖への影響を検証したところ、細胞増殖アッセイで腫瘍細胞の増殖を促進することがわかった。一方、miR-452-5p mimicとinhibitorをCACO-2に投与し、細胞浸潤能を定量化したところ、miR-452-5pが細胞浸潤を抑制する働きがあることが判明した。 今後細胞浸潤を調整するパスウェイの検索を勧めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
microRNAの網羅的解析とその後のrealtime PCRによる確認作業は順調に進み、その後有意なmicroRNA-452-5pの機能解析へと移っている。
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Strategy for Future Research Activity |
miR-452-5pは細胞増殖を促進する一方、細胞浸潤を抑制するという働きがあり、これに関与する経路の同定をWestern blotを中心に進める予定である。
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Causes of Carryover |
microRNAアレイチップ、PCR消耗物品、蛋白解析用のアレイキット、抗体等の購入を予定している。
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