2023 Fiscal Year Research-status Report
治療後白血病幹細胞の新規検査法の開発及び残存白血病細胞のサブセット解析の意義
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21K15662
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
水田 駿平 神戸大学, 保健学研究科, 研究員 (10782138)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 白血病幹細胞 / MRD解析 / AML |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度はこれまでの研究データをもとにCD34(+)/CD38(-)分画における正常細胞と異常細胞の鑑別の具体的な方法を考案するとともに、本分画の状態と疾患との関連性について検討した。先行研究では免疫形質と細胞サイズのみで異常細胞を検出していたが、本分画での細胞比率とCD45RAの発現動態、発現する分子の種類と陽性率、治療の有無の全てを考慮しなければ、偽陽性と判断してしまう危険性があることが分かった。免疫形質については、治療前であればCD45RAの発現の有無に分けて、各マーカー(CD7,CD11b,CD22,CD56,CD96,TIM-3,CLL-1)の異常性を判定するための陽性率を設定することで、本分画の白血病細胞検出が容易となった。一方、治療後は正常造血の亢進の影響を受けて正常細胞の免疫形質が多様化するため、安易に陽性率のみで異常性を判定することはできないが、CLL-1の発現やCD45RA(-)分画の増加の検出は白血病細胞判定に有用なマーカーとなる可能性がある。 また、CD34(+)/CD38(-)分画の細胞比率をde novo AML、AML-MRC、MDSと病態を分類して比較すると、de novo AMLでは他の疾患群と比較して細胞比率が低値であり、MDS由来の骨髄系腫瘍では高値となる傾向があることが分かった。骨髄系腫瘍の細胞起源が疾患の特性によって異なる可能性が示唆され、本分画の解析が疾患の分類にも貢献する可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CD34(+)/CD38(-)分画の白血病細胞と正常細胞の分類法について、より詳細に検討することができ、特に治療前については簡易な基準を設けることができた。本分画の解析データと病型との関連性についての知見も得られたのは思わぬ収穫であり、診断に貢献できることが分かった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き治療後のCD34(+)/CD38(-)分画における正常細胞と白血病細胞の分類法について検討する。本分画の解析が疾患分類にも寄与することを踏まえ、遺伝子型や予後との関連を調査することとする。また、特にCD45RAの発現動態についてCD34(+)/CD38(+)分画と比較し、免疫形質に基づいた正常および異常細胞の分化機構を把握したい。
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Causes of Carryover |
少額端数を無理に使用せず、次年度に有効活用することとした。次年度の予算に組み込んで使用する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] Immunophenotype of normal/abnormal cells in CD34 + CD38 - fraction corresponding to CD45RA expression2023
Author(s)
Shumpei Mizuta, Makoto Iwasaki, Noriko Bandai, Saya Yoshida, Asami Watanabe, Hiroshi Takashima, Takao Komai, Kazuhiro Bandai, Kensuke Fujiwara, Naoko Hiranuma, Yusuke Koba, Takahito Kawata, Akira Tamekane, and Mitsumasa Watanabe
Organizer
第85回日本血液学会学術集会