2022 Fiscal Year Research-status Report
Aseptic inflammation and impaired amyloid excretion caused by chronic cerebral ischemia on cerebral amyloid angiopathy
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21K15678
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
石川 英洋 三重大学, 医学系研究科, 助教 (00793499)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | アミロイドβ / 加齢 / 大脳白質 / RNA / 遺伝子発現変化 / 脳アミロイド血管症 / BCAS |
Outline of Annual Research Achievements |
若年(5か月齢、n=12)と高齢(24か月齢、n=12)の野生型マウス(雄)を用いて、大脳白質の遺伝子発現が加齢によってどのように変化するかを調査した。マウスの脳梁のサンプリング、RNA抽出を行い、bulk-RNAシーケンスを施行した。機能解析の結果、高齢マウスでは若年マウスと比較して補体古典経路に関連する遺伝子発現が上昇していた。 高齢マウスで有意に発現が上昇していた遺伝子がコードする蛋白質の中には、アルツハイマー病モデルマウスである5xFADでアミロイドβ凝集に影響するとされるものが含まれていた。研究成果は、2023年米国神経学会で発表した。 ビデオ自動追跡・行動解析装置(EthoVision XT 15, Noldus)を用いたY迷路試験、新奇物体認識試験を野生型の若年マウスで施行し、これまで目視では評価できていなかった評価時間内の移動距離や移動速度の変化が明らかになった。 本研究で用いる両側頸動脈狭窄(BCAS:Bilateral carotid artery stenosis)手術を施行して作成する血管性認知症のモデルマウスについて、総説を投稿し、国際誌(JCBFM)に掲載された。この総説では、現在世界中で用いられているBCASの手法の詳細や、本マウスの分子病態、トランスジェニックマウスを用いた研究の発展と応用の既報告や今後の見解についてまとめられており、認知症の病態解明、新規治療ターゲットの特定に寄与することが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アミロイド血管症モデルマウスの個体数が予定数に達せず、疾患モデルマウス群の研究開始が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
ビデオ自動追跡・行動解析装置(EthoVision XT 15, Noldus)を用いて高齢マウスや慢性脳虚血を負荷する手術(BCAS)を行ったマウスの認知行動評価の改善を行う。また、疾患モデルマウスで慢性虚血や加齢による遺伝子発現変化や蛋白発現変化の評価を行う。
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Causes of Carryover |
疾患モデルマウスの個体数が計画の数に達しなかったことにより予定より実験開始が遅れ、実験試薬や解析にかかる費用の支出が予定より少なかったため。当初予定していた試薬等は次年度施行する予定である。
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Research Products
(2 results)