2021 Fiscal Year Research-status Report
受動的な認知課題遂行を用いた神経変性疾患における症候の神経基盤の解明
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21K15679
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉永 健二 京都大学, 医学研究科, 助教 (60829042)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 受動的課題脳活動 / ニューロイメージング / 神経変性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経変性疾患の方に対して受動的課題実施による脳活動計測を行い、その実用性を示すことを目指す。本研究では課題刺激として視覚刺激を用い、これにより物体・表情認知、動きの知覚、近時記憶の3つのドメインで評価を行う。 本年はまず研究実施にあたっての倫理申請を行い、その認可を得た。研究実施場所として他施設との共同研究となっており、申請の微修正は必要であるが、研究開始自体は可能となった。 次に課題刺激の作成を進めた。表情認知に関わる顔画像については、被験者にとって新規の顔刺激を作成する必要があり、機械学習の手法を用いた顔画像の合成を行った。次に②動きの刺激としてmoving dots刺激の作成を行った。本研究では注意の影響を大きくするために左右視野に別々の割合のコヒーレントを割り振ることとしており、その課題刺激を行うコードを完成させた。また簡単な行動実験を行い、反応が取得できることも確認した。 近時記憶に関わる刺激として、本研究では被験者のパートナーの方から場所および顔に関する情報を取得する必要がある。その刺激作成のため、同意を取得した被験者の方において、そのパートナーの方とのインタビューを進めていくこととしている。 また後述の状況をふまえ、データ計測において遅れが生じているため、現状で実施可能なデータ解析を進めている。具体的には、本研究に参加される方において、すでに取得されているMRIデータ(安静時機能的MRIおよび構造MRI)について、順次解析を進めている。具体的には
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨今のコロナ感染症のパンデミックにより、本研究が対象とする被験者の方、あるいはそのパートナーの方が施設に来訪することに制限がある。本研究ではデータ計測において来訪が必須であり、そのためデータ計測開始について大きな遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点でのコロナ禍の状況をふまえると、今後もデータ計測において多少の困難があることが予想される。そこで本研究の目的を達成するにあたっての最短のデータ収集として、下記の方針とする。①研究にご参加いただく健常被験者において、能動的あるいは受動的課題のいずれかに割り振り、その課題関連脳活動を計測する。これにより両条件間での脳活動比較を行う。②神経変性疾患の方は全て、受動的課題条件に割り振ることで、これらの方における受動的課題活動を比較することを優先する。
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Causes of Carryover |
本研究の使用目的はほとんどが被験者への謝金であるが、昨今のコロナ禍においてデータ計測に遅れが生じており、そのため未使用分が生じている。これらについては次年度以降のデータ計測における謝金として使用する。
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