2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a risk assessment system for Lewy body disease by questionnaire survey analysis using machine learning
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21K15694
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
服部 誠 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (10880875)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / レビー小体型認知症 / レビー小体病 / 早期診断 / 健康診断 / prodromal症状 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年4月から、久美愛厚生病院、だいどうクリニックの健康診断受診者を対象に、レビー小体病のprodromal症状に関するアンケート調査を実施している。レビー小体病のprodromal症状は、便秘、排尿障害、RBD、嗅覚障害、うつ、眠気など多岐にわたるが、アンケートの結果から、特にRBD、嗅覚障害、自律神経障害の3つのコアなprodromal症状に着目し、これらのリスクを複数保有する者(50歳以上の健診受診者の約6%)に着目することによって、レビー小体病のハイリスク者を効率的に抽出できることを明らかにした。 質問紙によって抽出したハイリスク者92名に対し、DaT SPECTやMIBG心筋シンチグラフィなどを含むレビー小体病に関する二次精査を実施した。その結果、ほとんどのハイリスク者において運動・認知機能に異常を認めないものの、33名(35.8%)がDaT SPECTやMIBGの画像異常を有し、prodromal期のレビー小体病患者に該当することが明らかとなった。 2019年10月からは中東遠総合医療センターの健診受診者に対してアンケート調査を開始した。これまでに50歳以上の健診受診者1901名からアンケートを回収し、その7.1%にあたる135名がハイリスク者に該当することが明らかとなった。この結果は、高山久美愛厚生病院のハイリスク者が約6%であったことと一致し、質問紙によるハイリスク者の抽出に再現性があることが明らかとなった。 2021年度は、新たに国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)の高齢健常者コホートでアンケート調査を実施し、5263名から回答を得た。その結果、特に70歳以降で便秘や排尿障害などの自律神経障害、嗅覚低下を有する割合が高値となり、その影響で70代以上の高齢者ではハイリスクに該当する者の割合が約12%に上昇することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、高山久美愛厚生病院、だいどうクリニック、中東遠総合医療センターの健診受診者および国立長寿医療研究センターの高齢健常者コホートから、のべ2万件以上のアンケート冊子を回収し、レビー小体病ハイリスク者に関する解析を進めている。 久美愛厚生病院でのアンケート結果から、50歳以上の健診受診者の約6%が複数のprodromal症状を有するハイリスク者に該当することが明らかになっていた。今回、中東遠総合医療センターで同様の解析を実施し、50歳以上の健常者の7.1%にあたる135名がハイリスク者に該当することが判明し、質問紙によるハイリスク者の抽出方法に再現性があることが示された。 また、国立長寿医療研究センターの高齢健常者コホートの結果では、70歳以降で便秘や排尿障害などの自律神経障害、嗅覚低下を有する割合が高くなり、その影響で70代以上の高齢者ではハイリスクに該当する者の割合が約12%に上昇することが明らかとなった。 質問紙によって抽出したハイリスク者92名に対し、運動機能、認知機能、生理機能、DaT SPECT、MIBG心筋シンチグラフィなどの二次精査を実施した。その結果、ハイリスク者のうち33名(35.8%)でDaT SPECTとMIBGのどちらか1つ以上で異常を有することが明らかとなった。 さらに、ハイリスク者をDaTとMIBGが両方異常な者、DaTのみ異常な者、MIBGのみ異常な者、画像異常のない者の4群にわけて解析した結果、DaT SPECTの異常は運動障害と、MIBGの異常は嗅覚低下と関連が大きいことが明らかとなった。また、DaTとMIBGが両方異常な者は他の群と比較して10歳ほど高齢で、運動・認知障害、嗅覚低下が目立ち、レビー小体病の発症により近い一群を捉えている可能性が考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度も、高山久美愛厚生病院、だいどうクリニック、中東遠総合医療センターの3施設の健康受診者を対象とし、引き続きレビー小体病のprodromal症状に関するアンケート調査を継続する。これまでの健診受診者数とアンケート回答率(約40%)から、今年度も約6,000名分のアンケートおよび健診結果が収集可能と考えられる。 我々は先行研究において、高山久美愛厚生病院とだいどうクリニックのハイリスク者の血液検査結果を解析し、男性のハイリスク者においてヘモグロビンなどの貧血に関するマーカーやコレステロールが低値を示すことを明らかにしてきた。2021年度の健康診断結果とアンケート結果の紐付けが完了した後に、中東遠総合医療センターでも血液検査結果を解析し、ハイリスク者におけるレビー小体病発症前バイオマーカーの解析を進める予定である。 ハイリスク者92名の二次精査の結果、33名が神経症状を有しないもののDaTとMIBGのどちらか1つ以上で異常を有することが確認された。DaTやMIBGの異常を有するハイリスク者の過去のアンケートや健診結果を遡って解析することで、超早期の体内変化を捉えるための解析を進めていく。 また、2017年からアンケート調査を実施している高山久美愛厚生病院では、70%以上の方が同じ施設で毎年健康診断を受けており、5年にわたる縦断的データが蓄積されてきている。これまでの横断的検討にとどまらず、アンケート結果と健診結果を縦断的に検討することで、正常からハイリスク者に移行する者の特徴や割合を明らかにする。
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[Presentation] Longitudinal analysis of at-risk cohort of Lewy body disease2021
Author(s)
Hattori M, Satake Y, Hiraga K, Tsuboi T, Sato M, Kawashima M, Hori A, Wakai M, Yokoi K, Suzuki K, Arahata Y, Washimi Y, Matsukawa N, Katsuno M
Organizer
Next Gen DLB meeting
Int'l Joint Research
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