2022 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病におけるGDF15測定の有用性の検討と神経炎症に及ぼす作用の解析
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21K15699
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
宮上 紀之 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (10785497)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | GDF15 / パーキンソン病 / パーキンソン症候群 / バイオマーカー / ミクログリア |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病は年々患者数が増加しており、今後もさらなる増加が予想される神経変性疾患であるが、その診断および予後予測に関するバイオマーカーは確立されていない。先行研究より、パーキンソン病患者では健常対照者と比べて血中Growth and Differentiation Factor 15 (GDF15) 値が上昇するという結果が得られている。我々は、パーキンソン病患者とパーキンソン症候群(多系統萎縮症、進行性核上性麻痺等)患者における血中GDF15値の比較を行い、GDF15は診断のバイオマーカーとしての有効かどうかの検討を行う。また、パーキンソン病患者において、運動症状および非運動症状と血中GDF15値の比較検討や、縦断的な変化との検討を行い、血中GDF15値がパーキンソン病患者の症状やその進行と関連するかどうかの検討を行う。現在は、これらの患者を対象としてGDF15測定のためのサンプル採取および臨床症状の情報収集を行っている。また、GDF15とパーキンソン病の病態との関連に関して、特にミクログリアを介した神経炎症に着目しており、in vitroとin vivoでの検討を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血中GDF15測定のための症例は順調に集まっている。また、パーキンソン病動物モデルを作成し、GDF15の作用に関する検討も進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
採取した血清からGDF15の測定を行い、パーキンソン病患者とパーキンソン症候群との比較、またパーキンソン病患者での検討を行い、次年度には学会、論文投稿を予定している。また、GDF15がミクログリアに及ぼす作用に関する報告も次年度に行う予定である。
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Causes of Carryover |
消耗品の購入量が想定よりも少なかった。次年度は学会発表や論文投稿を予定しており、未使用金額についても使用可能だと考える。
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