2021 Fiscal Year Research-status Report
オキシトシン機能と自閉スペクトラム症傾向が愛着関係とうつ病親和性性格に与える影響
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21K15707
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
白田 稔則 山形大学, 医学部, 助教 (50772943)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | オキシトシン / 愛着関係 / パーソナリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では「オキシトシンの機能が自閉スペクトラム症の中核症状や愛着関係に直接的または相互的に影響を与えることによりうつ病親和性性格を形成し、うつ病の発症や自殺行動のリスクが上昇する」との仮説を立て、オキシトシン受容体の遺伝型、オキシトシン血漿濃度、自閉スペクトラム症傾向、親子間の愛着関係、及びそれらの相互作用がうつ病親和性性格である対人関係敏感性と認知・態度の歪みに与える影響を検討する。 2021年度は当初の計画通り、山形大学医学部の学生及び関連病院のスタッフの中から身体的に健康な男女の対象者の募集を行った。16歳までに築かれた親子間の愛着関係、自閉スペクトラム症傾向、対人関係敏感性、認知・態度の歪みを、それぞれ日本語版PBI、日本語版AQ、日本語版IPSM、日本語版DASを用いて評価した。熟練した医師が対象者から末梢血液を採血し、血漿分離・DNA抽出を行った後、冷凍保存した。一部の検体を用いて、Real-time PCR法でオキシトシン受容体の遺伝多型を同定した。また、本研究に必要な参考文献を収集し、現在得られているデータを用いて統計解析を行い、論文を作成した。「Oxytocin receptor polymorphism influences characterization of harm avoidance by moderating susceptibility to affectionless control parenting」という表題でBrain and Behavior誌に投稿したところ受理され、2021年9月に同誌で論文が公開された。また、第31回日本臨床精神神経薬理学会に参加し、本研究に関連する情報の収集・意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、対象者の募集、愛着関係・ASD傾向・対人関係敏感性・認知・態度の歪みの評価、静脈血採血、血漿分離、DNA抽出、資料収集、情報交換を行っている。加えて、現在得られてるデータを用いて解析を行い、「Oxytocin receptor polymorphism influences characterization of harm avoidance by moderating susceptibility to affectionless control parenting」という表題の論文を作成した。Brain and Behavior誌に投稿したところ受理され、2021年9月に同誌で論文が公開された。従って、「当初の計画以上に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に引き続き、対象者の募集、愛着関係・ASD傾向・対人関係敏感性・認知・態度の歪みの評価、静脈血採血、血漿分離、DNA抽出、資料収集、情報交換を行う。統計解析を行い、得られた結果を論文や学会にて公表する予定である。
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