2022 Fiscal Year Research-status Report
自閉スペクトラム症の症状を改善する生活習慣の検討ー加速度計を用いた検討ー
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21K15710
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
内藤 暢茂 金沢大学, 附属病院, 講師 (80804062)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ウェアラブル加速度計 |
Outline of Annual Research Achievements |
未就学のASD時と健常児のリクルートを行い、十分な被検者を集めることができた。。研究対象として、金沢大学附属病院神経科精神科あるいは子どものこころの診療科に受診したASD児および健常児をリクルートした。研究の目的はどのような生活習慣、睡眠開始後1時間の体動の少なさと社会性に関係しているかを目的としており、被検者から質の高いデータを取得するため、睡眠状況や生活習慣(例:日中の活動量、就寝・起床時間、午睡の有無、普段の就寝時間のバラツキ、睡眠儀式の有無、入浴時間、寝室の照明、寝室の空調、テレビなどを見ている時間帯等)における質問紙を準備した。これらのデータと実際に加速度計によって得られた夜間の睡眠に関するデータを多方面から解析する作業に着手した。なお、社会性については、日常生活における社会性・不適応行動・多動性・不注意・認知機能・感覚などの各種心理検査から総合的に評価している。いくつかの生活習慣と睡眠中の体動および社会性に関連が見られた場合は、仮説に基づいて介入研究の計画をたてることが可能である。すなわち、特定の生活習慣を導入することで、睡眠の質や社会性に変化をもたらすことを実証する。介入研究においてはさらに多くの調整された被験者を集めることが必要になる。今年度得られた被験者のリクルートについてのノウハウやデータ取得、管理システムは今後の研究にも十分有効になると考えられる。加速度計も年々発展しており、今後はより簡便にビッグデータを得られるようになると考えられる。バッテリー容量も拡大化しており、週単位のデータ取得や昼寝など昼間のデータも同時に取得することが可能になる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ASD児および健常児合計50名(3~7歳前後)をリクルートする予定であるが、十分な被検者が集められている。解析段階に移行しており、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
目標であるASD児および健常児合計50名(3~7歳前後)をリクルートし、データを取得する。得られたデータの加速度計の解析を行い、統計的処理を行う。加速度計の値を従属変数とし、睡眠に関連した生活習慣や、診断、児の社会性を独立変数として解析する。すなわち未就学児のどのような生活習慣が、睡眠開始後1時間の体動の少なさ(≒睡眠初期の深い睡眠)と社会性に関係しているかを調べる。その結果、効果的な生活習慣調整の要素を検出できたならば、次の展望として、効果的な介入試験を実施するための臨床研究をデザインする。得られた結果を国際自閉症研究会議(INSAR)にて発表する。また論文化し、国際誌に投稿する。
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Causes of Carryover |
十分な被検者を集めることができており、ウェアラブル加速度計の台数を増やすことが必要になっている。同時に複数賢者のデータを集めることが可能になれば、成果を早く報告することにつながるため、貴重な投資となる。また並列的に解析作業を行うため、高速処理用計算機が必要である。これらは次年度に購入予定である。
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