2021 Fiscal Year Research-status Report
ゲノム・エピゲノムデータを用いた若年自殺リスクのバイオマーカー開発
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21K15712
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大塚 郁夫 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40722880)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 若年自殺 / ゲノム / エピゲノム / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
日米において、若年者の自殺率は高止まり・増加の一途を辿っており、深刻な社会問題である。またCOVID-19による種々のストレスにより、さらなる自殺の増加が世界的に懸念されている。自殺者試料の収集が困難なため、自殺の遺伝学的知見の獲得は大幅に遅れている中、申請者は、国内唯一・世界最大規模の自殺者DNA試料を有し、網羅的ゲノム・エピゲノム解析により、30歳代以下の自殺者における①末梢血テロメア異常短縮、②末梢血DNAメチル化年齢の異常老齢化、③自殺リスクに強く関連するGTF2IRD1遺伝子多型の存在、という予備的知見を見出した。本研究では、日本人若年自殺者及び、強い自殺念慮を有する若年者、さらには白人集団の追加試料を用いて上述の知見を多角的に追試し、臨床現場で真に有用な若年自殺リスクのバイオマーカーとなりうるかを検討する。本年度は約20例の若年自殺関連試料の網羅的メチル化データ取得や、約350例の自殺関連試料のGTF2IRD1遺伝子多型データ取得を実施し、2022年度の最終解析に向けて順調に準備を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた若年自殺関連の試料数の網羅的メチル化データやGTF2IRD1遺伝子多型データを取得できており、遺伝学的統計解析手法の洗練含め、2022年度の最終解析に向けて順調に準備を進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で新たに取得する若年自殺者および自殺念慮を有する若年者(と対照群)のゲノム・エピゲノムデータの解析により、30歳代以下の自殺者における①末梢血テロメア異常短縮、②末梢血DNAメチル化年齢の異常老齢化、③自殺リスクに強く関連するGTF2IRD1遺伝子多型、の知見を多角的に追試し、臨床現場で真に有用な若年自殺リスクのバイオマーカーとなりうるかを検討する。代表者らは現在、自殺者GWAS等のスケールアップも実施中であり、より確度の高いバイオマーカーとしての可能性を探るため、上記①②③の知見と併用できうる新たな遺伝統計学的データの探索も同時に進めていく。
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Research Products
(14 results)