2021 Fiscal Year Research-status Report
The pathologic elucidation of autism spectrum disorder by multi-omics analysis of intestinal microbiota
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21K15740
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
対馬 大希 弘前大学, 医学研究科, 研究機関研究員 (20803943)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / ASDモデル動物 / 腸内細菌叢 / 糞便移植 / マルチオミックス解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、自閉スペクトラム症(ASD)と特定される患者数は増え続けているが、具体的な原因は十分に解明されておらず、根本的な治療法は存在しない。多くの場合は遺伝的な要因が関係していると考えられており、さらに、腸内細菌叢の偏りがASDのリスクとかかわることが報告されている。本研究は、ASDモデルマウスを用いて、網羅的メタゲノム解析や行動実験によりASDに特徴的な腸内細菌叢について明らかにし、ASDの病態解明及び治療法確立の可能性を探索する。ASDの病態解明のためにASDモデル動物が頻用されており、特に遺伝性知的障害の代表疾患であるFragile X 症候群(FXS)はASD様症状を呈するため、FXSのモデル動物であるFragile X mental retardation protein 1(Fmr1)- knockout(KO)マウスは、ASDモデルマウスとして広く用いられている。しかし、Fmr1-KOマウスに関する腸内細菌叢と症状については研究報告がなく、本研究ではFmr1-KOマウスを用いて上記の課題解決に取り組む。 本年度は、本学動物実験施設の改修工事が長引いたため、モデル動物の交配を通常通り行うことができず、計画通りに実験を進められない期間が生じた。予定よりやや遅れているものの、仔マウスを確保し、ジェノタイピングによって分類したKO群と対象群(野生型)をそれぞれ育成している。また、行動実験の予備試験として、生後8日目の仔マウスの超音波発声(Ultra-Sonic Vocalization: USV)の測定、及び生後12週目のスリーチャンバーテストを実施し、仔マウスのASD様行動の評価を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本学動物実験施設の改修工事が長引いたため、モデル動物の交配を通常通り行うことができず、計画通りの実験を進められない期間が生じた。また、実験機器や試薬類の納品も通常より遅れる場合があった。予定よりやや遅れているものの、研究計画に従って進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はまず、Fmr1-KO及び野生型(Wild type: WT)マウスの腸内細菌叢について、16S rRNAメタゲノム解析を行い、2系統間の分布の違いについて調査する。Fmr1-KOマウスとWTマウスとの腸内細菌叢の違いが同定された後、Fmr1-KOマウスの母体の腸内にFmr1-WTマウスの腸内細菌を移植し(糞便移植)、生まれたマウスの行動に変化が現れるかどうかを行動実験により調査する。
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Causes of Carryover |
本学動物実験施設の改修工事が長引いたため、モデル動物の交配を通常通り行うことができず、計画通りの実験を進められない期間が生じた。また、実験機器や試薬類の納品も通常より大幅に遅れる場合があったため、生じた未使用額を次年度に持ち越すことにした。 本年度に実施予定であったマウスの腸内細菌叢にかかる16S rRNAメタゲノム解析を次年度に行うこととしたため、未使用額はその経費に充てることにしたい。
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