2021 Fiscal Year Research-status Report
心臓専用半導体SPECTを用いた複数分子同時収集の物理因子解明と補正技術の確立
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21K15761
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
澁谷 孝行 金沢大学, 保健学系, 助教 (80762509)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 半導体SPECT / 複数分子同時収集 / 最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓専用半導体SPECT装置の位置依存性を評価するための性能評価測定用ファントムを開発した。空間分解能は視野位置の違いによって異なり,半値幅(FWHM)の違いは6mm前後の違いが確認された。さらに,同一位置でファントムを収集したときの施設間差を確認するために同一装置を保有している2施設に協力を要請し,開発したファントムで性能測定を行った。空間分解能および画像均一性ともに施設間で大きな差があることが明らかになった。しかし,ファントム設置の再現性の課題も考えられたために,QC用で利用しているコバルト線線源を用いて専用治具を用いた再現性実験を実施した。その結果,FWHMは1mm未満になり,再現性高く,空間分解能を計測できる手法を考案することができた。 心筋ファントムの検証では,当初計画していた心筋ファントムの外容器の開発は他社の既存ファントムの外容器の中で代用できるものがあったため,開発する必要がなくなった。今年度は,複数分子同時収集の画質の影響を評価するための基礎実験として,Tc-99mおよびI-123を用いた単一核種での正常心筋および前壁・下壁欠損心筋の実験を実施し,画質および定量的な評価を行った。次年度以降は,この単一核種の画質および定量評価を基準として,二核種同時収集の画質および定量値の影響を評価していく。 心筋ファントムの外容器を作製する必要はなくなったが,視野内位置依存性の性能測定結果をふまえて呼吸性変動における影響を新たに検証する必要が生じた。そこで,呼吸性移動を模擬することができる治具を新たに開発した。規則的な正弦波のみだけでなく,変則的な波形も再現でき,可動範囲も±5cm移動できる治具を新たに開発した。次年度に,新しく開発した呼吸性移動を再現できる治具を用いて心臓専用半導体SPECTにおける呼吸性変動による性能測定の影響および心筋画質の評価を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しく呼吸性変動の治具を開発する必要が生じたが,すでに設計および製作は完了しており,納品待ちであるために,追加検証は生じたが,概ね研究計画通り,実験は遂行されている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,心筋ファントムを用いて単一収集における至適収集条件の最適化と複数分子同時収集の至適心筋集積比の検証を実施する。さらに,視野内位置依存性の影響を呼吸性変動を加味したファントム実験で明らかにする。
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Causes of Carryover |
新しく開発した治具を納品前に業者と完成品の確認作業を対面で3月に実施予定であったが,COVID-19の影響で出張制限がかかっており,4月に実施することになった。そのため,治具の開発経費が次年度に移行することになった。
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Research Products
(11 results)