2022 Fiscal Year Research-status Report
心臓専用半導体SPECTを用いた複数分子同時収集の物理因子解明と補正技術の確立
Project/Area Number |
21K15761
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
澁谷 孝行 金沢大学, 保健学系, 助教 (80762509)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 半導体SPECT / 複数分子同時収集 / 最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓専用半導体SPECT装置の呼吸性変動を評価するために前年度に新たに開発した呼吸性移動を模擬した治具を用いて,心筋SPECTの画質と定量性を擬人化心臓ファントムを用いて評価した。さらに,心臓専用半導体SPECTの特徴を理解するために,従来のSPECT装置でも同様に実験を行った。 正常を模擬したファントムでは,従来のSPECT装置および心臓専用半導体SPECT装置ともに呼吸性変動が大きくなるにつれて,前壁および下壁が他の心筋壁に比べて集積が低下した。心筋壁厚は従来SPECT装置では,移動距離が大きくなるにつれてボケの影響で厚くなった。一方,心臓専用半導体SPECT装置はOS法では従来SPECTと同様の傾向を示したが,心臓専用半導体SPECT特有の画像再構成であるSD法は移動距離が大きくなっても心筋壁厚に変化は見られなかった。次年度は,病態を模擬したファントムを用いて病変検出能の評価を行う予定である。 Tc-99mおよびI-123の二核種同時収集の心筋集積比と画質の関係を明らかにするために,正常心筋および前壁,下壁に病変を模擬した欠損心筋ファントムを作成し,Tc-99m/I-123(Tc/I)比を1,3.5,5,6.5と可変させて実験を行った。Tc/Iが高い場合Tc-99mは良好な画質を示したが,Tc/I比が低くなるにつれて,Tc-99mにおいては正常心筋部の中隔~下側壁で集積低下が顕著になった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度課題となった呼吸性変動の特徴を明らかにできた。病態を模擬したファントムの評価が未着手であるが,すでに実験は完了しており,現在解析中である。 心筋ファントムを用いたTc-99mとI-123の二核種同時収集については,低い投与量比でTc-99mの画質が低下することが明らかになった。今後,画像処理によって改善できないか現在Gaussianフィルタのパラメータや散乱線補正法のscatter factorなどを再調整して検討しているところである。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は,現在進行中の模擬欠損を用いたファントムと二核種同時収集のパラメータ検証について検証していく。さらに,臨床例へ適用するために,臨床データを収集するための準備を進めていく。すでに,倫理審査に関連する申請書類は本学倫理審査委員会に提出し,許可を得ている。現在,臨床データを収集ために附属病院の関係者と連携をとりながら開始に向けて進めている。
|
Causes of Carryover |
令和4年度に執筆した論文の掲載処理料および英文校正料に執行予定であったが,査読工程が大幅に遅延し,期間内に執行することができなかった。したがって,次年度に繰り越すことになった。
|
Research Products
(8 results)