2021 Fiscal Year Research-status Report
deep learningを利用した新たなbolus tracking法の開発
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21K15773
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
渡邊 翔太 近畿大学, 大学病院, 技術職員 (20824072)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | deep learning / CT値測定精度 / bolus tracking / 領域判別 |
Outline of Annual Research Achievements |
頭部computed tomography angiography (CTA)検査では、造影剤による造影効果に対して適切なタイミングで撮影するためにbolus tracking (BT)法が利用されている。本研究ではdeep learningを利用してBT画像から血管の領域を自動判定させ、関心領域 (region of interest: ROI)を用いずに血管のCT値を計測できる手法を開発し、その精度を検証することを目的とする。 deep learningに利用するBT画像を準備し、内頚動脈のみを抽出したラベル画像を作成した。BT画像およびラベル画像を使用してdeep learningにおけるtrainingを行い、得られたconvolutional neural networkを利用することで、テスト用のBT画像から内頚動脈の領域を判定したラベル画像を取得した。取得したラベル画像を用いてBT画像にマスク処理を施すことで、判別した領域のCT値を測定した。マスク処理により得られたCT値と手動ROI設定で測定した真値との差を算出し、従来の固定ROI設定法と比較したところ、体動を認めた症例におけるCT値測定精度が向上した。 deep learningを利用してBT画像における内頚動脈の領域を判別し、領域のCT値を測定する新たな手法を確立した。BT画像に対するROIを用いないCT値測定手法は今まで報告されておらず、革新的な手法を実現できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
頭部CTA検査におけるBT画像に対して内頚動脈の領域を判定するようdeep learningによるtrainingを行った。convolutional neural networkの構造には領域判別に広く使用されているU-net構造を用いた。得られた領域のCT値を取得し、手動ROI設定による真値と比較したところ、体動を認めた症例では従来の固定ROI設定法と比較して有意に精度が向上することが明らかになった。これによりdeep learningを利用した手法が患者の体動に依らず正確なCT値を取得する手段となり得ることが確認できた。 臨床画像の使用にあたって院内の倫理承認を早期に取得できたため、滞りなく臨床画像を取得することができた。また、deep learningのネットワーク構造に代表的なU-net構造を用いて検討を行ったところ、予想以上の精度でCT値測定を行えたため、予定よりも研究計画を進行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
U-netを用いたdeep learningにより、体動を伴う症例ではCT値測定精度が向上したが、体動を伴わない症例においてはわずかに精度が低下した。BTにおけるスキャンタイミングの決定には大きく影響しないことが予想されるが、network構造などには改善の余地があると考えられるため、今後もdeep learningにおけるtrainingの条件に関する検討を重ねていく。
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Causes of Carryover |
感染症拡大に伴い、学会や勉強会がオンライン開催となったため旅費支出が発生せず、次年度使用額が生じた。翌年度は現地開催が可能となった学会に積極的に参加し、情報収集・発信を行っていく予定である。
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