2022 Fiscal Year Research-status Report
新規アミノ酸PETプローブによる早期膵癌画像診断法の開発
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21K15774
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
山崎 香奈 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 分子イメージング診断治療研究部, 研究員 (50596624)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 新規膵癌PETプローブ / アミノ酸PETプローブ / 膵癌早期発見 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の健常人における[11C]MeLeu first in human PET試験で安全性、体内分布、被ばく線量評価での有効性が示唆された。この結果を受けて、令和4年度は膵癌患者における[11C]MeLeu PET/CT試験の特定臨床研究プロトコル承認を得て、患者を組み込んだ。5名の患者が参加し、うち1名では製剤の適格合成ができなかったため除外となった。試験を遂行できた4名では、膵癌へのMeLeu集積がSUVmax=3.33±0.85(範囲;2.07-3.88)の集積が見られた。先行してFDG PETが行われた3名では、膵癌へのFDG集積は早期相でSUVmax=3.76±2.06(範囲;1.86-5.95)、後期相でSUVmax=4.35±2.27(範囲;1.91-6.40)であった。FDGに比し[11C]MeLeuの膵癌への集積は低い傾向であったが、4名中3名では化学療法が先行して行われており、治療による修飾が否定できない。一方、FDGで強い集積が見られた胆管ステント周囲の集積や骨粗鬆症性圧迫骨折などへの偽陽性病変に対する集積は[11C]MeLeuではほとんど見られなかった。上述のごとく、少数の患者における[11C]MeLeu PETの結果からは、膵癌への取り込みがやや亢進している可能性、およびFDGと比較し炎症などへの非特異的集積が低い可能性が示唆された。なお、[11C]MeLeuを投与した4名の患者全員において、有害事象は発生していない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度は少数の患者において[11C]MeLeu PET試験を遂行できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点では試験遂行例が少数であり、また、1名を除き化学療法中の患者であったため、[11C]MeLeuの膵癌への集積を正確に評価できていない可能性が考えられた。そのため、今後は可能であれば治療未施行の患者での試験を増やす。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響で予定していた国際学会への参加を断念し、参加費と旅費を計上していない。今後は学会参加(参加費、旅費)、および患者での特定臨床研究(薬剤合成、患者への謝金)を進めていく計画であり、使用の見込みがある。
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