2022 Fiscal Year Research-status Report
Construction of lesion distribution identification system centered on simple breast MRI with artificial intelligence
Project/Area Number |
21K15797
|
Research Institution | Japanese Red Cross Wakayama Medical Center |
Principal Investigator |
石井 慧 日本赤十字社和歌山医療センター(臨床研究センター), 乳腺外科部, 医師 (50812624)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 乳癌 / MRI画像検査 / マンモグラフィ / AI / 画像評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳癌を有する患者さんに対し、術前に撮像した単純MRI画像、造影MRI画像(いずれもT2強調画像)を3次元再構成ソフト下で再構成し、その正射影をマンモグラフィの陰影と比較する方針で解析を行った。 マンモグラフィと造影MRI画像の最大の相違点は血管の濃度であった。加工をすることなく造影MRI画像を3D再合成した後に正射影を得ると、乳癌と考えられる位置だけでなく、血管も強調されているため両者の区別を得ることが本研究での最大の課題になることが判明した。また、3Dで再構築した乳房をマンモグラフィの圧迫板幅に合わせて等体積変形を行い、そちらでマンモグラフィ画像と比較を行ったが、基点と考えられる乳頭直下点と乳腺最末端点を重ねても、多くの乳腺が重なるような変形3D再構築乳房を得られる可能性が低いことが判明した。その原因として、マンモグラフィ撮像時には用手的に乳房を牽引して圧迫板に挟み込むが、その張力が乳房内で統一ではなく、引き伸ばされ方にムラがあることが予想された。 そこで、新たに乳房の柔らかさや弾性を数値的に評価し、それを3D再構築時に係数として加えることにより、引き伸ばされ方を想定した3D再構築を行う方法が良いのではないかと考えている。現在、この係数決定へ向けて方策を練っているところであり、現在も研究は進行中である。 計画に関して、研究を進めたことにより想定すべき係数評価を明らかにすることができたと考えている。以降も研究を重ね、乳房MRI画像とマンモグラフィを用いた新たなシステムの構築を目指す。また、この途中で得られた乳房の柔らかさや弾性への評価軸が決まれば、一度論文投稿を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は世界規模で半導体が不足し、研究に必要な電子端末を得ることができなかったため、その分研究の進行は遅れていた。しかし、端末が到着し、解析システムをUbuntuで構築し、研究を進めることができた。また、最終目標へ到達するにあたり障害となる乳房の正常について、どの部分を数値化すれば解決に繋がる可能性が高いかを評価することができた。この評価は研究を始めてみないと確定できないところであったので、そこが判明したことは成果と考える。また、ここから多くの画像データを解析していく必要があるので、時間を要すると考えられる。専門的な研究施設を持たない市中病院内で研究開発環境は整えることができたことは、十分な進展と考えている。また、成果として乳房の柔らかさや弾性の評価軸を新たに定めることができた時点で論文化することが可能と考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
1) 乳房の柔らかさや弾性の評価軸を新たに定める。こちらはこのまま継続する。具体的には3D再構成におけるVoxelの伸展に関し、Voxel濃度別に係数を変更して変形することで一時的な再合成像を作成、そこで本来隣接する組織に部位のズレが生じるのでそこを補正する計算式の調整を行っていく。 2) 1)ができた時点で、各組織の柔らかさをMRIかマンモグラフィかどちらかの画像を利用することで算出することができる可能性が非常に高い。こちらに関しては本研究以外にも使用用途がでてくる可能性が高いので、この時点で論文化を行う。 3) 2)の係数を用い、単純MRI画像とマンモグラフィを比較することで乳癌部位を特定することができるシステムを構築し、発表する。
|