2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a Deep Learning Model for Accurate Staging of Lung Cancer from Preoperative Images
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21K15799
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅原 暖斗 東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (60883527)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 肺癌 / 腺癌 / 扁平上皮癌 / 病期分類 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、初年度にトレーニングデータと教師データを収集し、Neural networkの作成に取り掛かる予定であった。しかし、当初予定していた肺癌のT因子の予測や、胸膜浸潤の有無を診断する予測は比較的高精度の先行研究が発表されたため、その結果を踏まえさらに発展的な肺癌の病期診断を可能とするモデルの作成を検討することにした。 既存のモデルよりもより高い精度でT因子を予測する際に、腫瘍そのものだけではなく背景肺の状態が交絡因子になると予測されたため、まずは喫煙歴の有無によって初期の腺癌の画像所見がどのように変化するかを調査した。喫煙者に発生した初期の肺腺癌は、非喫煙者に発生する初期の肺癌よりも内部のCT値が低い傾向があり、病理学的な浸潤径とCT上の浸潤径の相関が悪いことがわかった。 また、これまでのDeep learningモデルによる肺癌診断は、主に腺癌を対象とした論文が多く、扁平上皮癌を対象としたものは少なかった。そのため、扁平上皮癌を対象とし、CT上でどのような画像所見がみられるかを検討した。扁平上皮癌は肺腺癌と違い、その成長過程でCT上の画像所見が大きくことなり、特に初期の扁平上皮癌はより多彩な画像所見を示すことがわかった。 これらの結果を踏まえ、特に喫煙者で気腫肺が強い際に発生する肺癌は、放射線科医による病期診断や予後予測が現状では困難であることがわかった。このため、これらの病変をDeep learningモデルを用いて検討することにより、現状よりも高い精度でT因子や予後予測ができるようになると予測されるため。現在、さらに追加の症例を集積している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初目的としていた肺癌の病期分類のNeural networkモデルはここ2年以内で複数の研究が次々と報告されており、いずれも良好な精度を示していた。そのため、我々はこれらの先行研究の知見を踏まえ、現状では診断がより難しい肺癌の病期診断を可能とするモデルの作成に取り組むことにした。具体的には重喫煙によって背景肺の状態が悪くなっている病変に着目し、これらの病変の病期診断を可能にするNeural networkモデルの作成を検討する方針とした。
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Strategy for Future Research Activity |
気腫を合併した肺癌や、肺扁平上皮癌など比較的症例が集まりにくい分野の画像症例をさらに集積し、病期診断を可能にするDeep learningモデルの作成を目指す。
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Causes of Carryover |
初年度は症例の集積を行ったため、Neural networkの作成まで至らなかった。そのためGPU搭載パソコンを購入する必要がなく、次年度以降にパソコンや解析ソフトの購入を検討している。
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