2021 Fiscal Year Research-status Report
深層学習による高解像マルチパラメトリックASLの開発
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21K15802
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Research Institution | Kyoto College of Medical Science |
Principal Investigator |
石田 翔太 京都医療科学大学, 医療科学部, 助教 (50817559)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Arterial spin labeling / 深層学習 / 磁気共鳴画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,健常被験者を対象としたarterial spin labeling (ASL) 法の画像データ収集と定量化のための回帰ネットワークの開発を中心に実施した.画像データの収集では,教師データとなる高画質画像と処理対象となる低画質画像を収集した.画像データ収集は今後も継続し,研究期間内に可能な限り多くのデータ収集を目標とする.定量化のための回帰ネットワーク開発では,数値シミュレーションデータを使用して2つのネットワーク開発を進めた.数値シミュレーションデータは,ASL信号の理論値(1コンパートメントモデルおよび2コンパートメントモデル)にライス分布ノイズを付加して生成した. 回帰ネットワーク①:脳血流量(CBF: cerebral blood flow)と脳血流のダイナミクスを反映するパラメタである動脈到達時間(ATT: arterial transit time)を推定する1コンパートメントモデルを使用したネットワーク. 回帰ネットワーク②:CBF,ATTに加え,組織到達時間(TTT: tissue transit time)および,脳循環パラメタの脳血液量(CBV: cerebral blood volume)を推定する2コンパートメントモデルを使用したネットワーク.脳の老廃物排泄機構の機能と関連すると報告されている,組織での水の交換に要する時間(water-exchange time)がATTとTTTから計算可能. それぞれのネットワークで得られた定量画像を,従来法から得られた画像と比較した結果,定量パラメタの推定性能において,①は従来法と比較してノイズ耐性が向上していた.②の性能については評価途中であるが,ノイズ耐性の向上が見込まれている.これらの一部の成果について学会発表および論文投稿の準備中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は定量化のための回帰ネットワークの開発と同時並行で,雑音除去および超解像処理用のネットワーク(画像復元ネットワーク)を開発する予定であったが,回帰ネットワークの開発に想定以上の時間を要したためにプロトタイプの開発段階で停止している.次年度は画像復元ネットワークの開発を重点的に実施し,同時並行で回帰ネットワークの改善も行う.また,それぞれのネットワークの統合も進める.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は次の3つの検討を柱に研究を進める. ① 画像データの収集を進め,可能な限り多くのデータを蓄積する. ② 雑音除去および超解像処理のネットワーク開発を重点的に行う. ③ 回帰ネットワークは教師無し学習を利用して改善する. また,これらの検討結果を順次統合し,ASL特化型深層学習フレームワークの開発を進め,結果が出た時点で学会発表および論文投稿を行う.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行により,学会がweb開催になり旅費が発生しなくなったこと,データ収集が一部滞ったことなどが理由で次年度使用額が発生した.学会参加のための旅費および画像データ収集のための謝金に使用する予定である.
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Research Products
(6 results)