2021 Fiscal Year Research-status Report
放射線照射により生じる血管内酸化ストレス及びがん転移形質の誘導機構の解明
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21K15806
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 実 京都大学, 医学研究科, 助教 (20826010)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | がん / 放射線治療 / 血清アルブミン / 酸化ストレス / 遊離チオール |
Outline of Annual Research Achievements |
遠隔転移の予防はがん治療における一重要課題であるが、この課題克服の手掛りとして、申請者はこれまでに、放射線治療中に生じる血管内酸化ストレスが遠隔転移リスクの新規評価指標となることを見出した。そこで本研究の目的を、放射線治療過程の血管内酸化ストレスの生成機構の解明、及び同ストレス下でがん細胞が転移形質を獲得するメカニズムの解明、に設定し、昨年度より研究を進めている。これまで成果として、培養がん細胞を用いた実験(高速液体クロマトグラフィーなど)を通じて、培地中の酸化ストレスを誘導する物質の候補を同定した。これらの物質を外因性に投与することで、がん細胞内の活性酸素種は変化し、それに応じて細胞死の誘導も変化した。よって、培地中の酸化ストレスは、がん細胞内の活性酸素種レベルにも影響し、細胞の生存に影響することが明らかとなった。 今年度は、上記候補物質の中から最終的な酸化ストレス誘導物質を決定するとともに、同物質の産生に関わる遺伝子の同定を行う。また、担がんマウスモデルを用いて、酸化ストレス誘導下での遠隔転移形成促進が見られるか否かを検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予想に反した結果が得られた際、文献検索とその検証を積極的に行い、実験方法を修正し得たため。
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Strategy for Future Research Activity |
がん環境における血管内酸化ストレス誘導物質を決定するとともに、同物質の産生に関わる遺伝子の同定を行う。また、担がんマウスモデルを用いて、外因性に血管内酸化ストレスを誘導したり、血管内酸化ストレス誘導に関連する遺伝子の修飾を行うことで、In vivoでの酸化ストレス誘導および遠隔転移形成促進が見られるかを検証する。
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Causes of Carryover |
当初計画していたよりも物品費を安く抑えることができたため、未使用額が発生したが、引き続き、次年度以降も物品購入に使用する。
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