2021 Fiscal Year Research-status Report
再起型ニューラルネットワークとMR画像を用いた頭頸部癌放射線化学療法の予後予測
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21K15814
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
冨田 隼人 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (90647801)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 人工知能 / 深層学習 / 再起型ニューラルネットワーク / 畳み込み型ニューラルネットワーク / 頭頸部癌 / 拡散強調像 |
Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部癌で放射線治療、放射線化学療法、導入化学療法後の放射線化学療法など根治目的に放射線治療を受け、治療前と治療開始後4週に拡散強調像とapparent diffusion coefficient (ADC) mapを撮像された方を対象とした。画像全体を利用すると深層学習では病変を認識できなかったため、一定の条件を設けた切り取り画像の作成と画像内の腫瘍の中心部にdotを置くことで認識可能となった。単施設での研究のため大量のデータを用意することはできず、ImageNetというデータソースから画像特徴量を事前に学習したアーキテクチャ(Xception)を用いて、転移学習させた。畳み込み型ニューラルネットワークと治療中の拡散強調像を用いて、治療後の再発はarea under receiver operating characteristics curve (AUC)で0.767,正診率は81.0%であった。高リスク群と低リスク群に分類し、Log-rankテストを行うと、同手法を用いた治療中の拡散強調像から2年の予後予測であった(P = 0.013)。また、Cox regression解析では深層学習による手法が2年の予後予測の唯一の因子であることが分かった(P = 0.016)。ADC mapでは、画像内に空気の多い頭頸部が対象となるため、バックグラウンドがviabilityのある腫瘍と同様の低値を呈しており、人工知能の認識力は高信号として描出される拡散強調像よりも劣ると考えられた。現在は、治療前と治療中の画像から経過を踏まえた判断をすることができる再起型ニューラルネットワークを用いて、再発および2年の予後予測を解析している最中である。より精度の高い結果を導くために、人工知能にとって重要なデータ数を増やすこととプログラミング内容の変更を行いながら、進めている。また、切り取り画像に関しても腫瘍だけを囲むなどの異なる下準備が必要と考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
畳み込み型ニューラルネットワークを用いた研究は順調に進み、論文にまとめることができた。現状から再起型ニューラルネットワークはさらに複雑なプログラミングを要し、慎重な解析が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
再起型ニューラルネットワークに関しては、当院の人工知能チームと協力し、データ数の増加やプログラミグの変更を行い、より精度の高い研究を進めていく。結果をまとめ、国際雑誌への投稿と国際学会での発表を目指す。
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Causes of Carryover |
研究技術員への人件費およびより精度の高い研究遂行に必要なワークステーション、GPUなどの購入費用に必要なため
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