2022 Fiscal Year Research-status Report
分子標的薬併用による甲状腺癌内用療法不応性患者に対する次世代治療戦略の検証
Project/Area Number |
21K15823
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
廣正 智 金沢大学, 附属病院, 助教 (80867648)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 甲状腺癌 / アイソトープ治療 / 内用療法 / 分子標的薬 / 甲状腺ホルモン休薬 / ヒトチロトロピンアルファ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究遂行のため昨年度につづき、甲状腺癌多発転移に対する分子標的薬治療導入を検討している対象症例の集積を試みた。また、本研究の対象患者募集と並行し、甲状腺癌に対する内用療法を実施した患者データを主に二つの観点から次のようにまとめた。 ①前向き研究として、甲状腺癌全摘後の内用療法における甲状腺床の放射性ヨウ素の集積量の検討を行った。甲状腺ホルモン休薬法(内因性TSH刺激)とヒトチロトロピンアルファ法(外因性TSH刺激)の違いによってNIS発現量に影響をおよぼし、結果として集積量に差があるのかを論点として研究を進めた。NIS発現に差異があるとの結論に至り、本研究結果は2022年9月の世界核医学会にて発表した。これによって本研究の基礎データを提供できるとともに、I-131治療薬の最適量や治療前の処置方法に関して言及することができると考える。 ②後ろ向き研究として、多変量解析を用いた甲状腺癌多発肺転移患者の検討を遂行した。本研究においては、特に多発肺転移患者が研究対象となるが、このデータをまとめることで癌細胞のI-131uptakeの程度の確認及び分子標的薬導入に至る場合における集積変化の確認のための基礎データを提供できる。また、予後を調査することで、甲状腺癌多発肺転移患者においての分子標的薬導入の必要性や妥当性を詳細に検討できる。 現時点では上述①は論文執筆中であり、詳細に関しては公表後とする。②は国内学会に1回発表を行った。また最終的に論文として公表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象患者の募集を試みているが、当初の想定とは異なり、症例の集まりは悪い。一方で基礎データの収集・解析は順調に進み、国際学会での発表、国内総会での発表、論文発表を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度同様に、研究遂行のため対象患者の募集を試みる。それに並行して、本研究の基礎データ提供のための現在まとめている内容においては、2本目の論文発表ができればと考えている。最終的に本研究データとして統合して報告する予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大により、オンラインでの学会参加等により想定よりも旅費が少なくなっている。可能であれば、研究発表として論文を2本掲載するための費用として使用する。
|
Research Products
(3 results)