2022 Fiscal Year Research-status Report
3次元 T1 mappingを用いた膵 T1容積による膵外分泌機能評価法の開発
Project/Area Number |
21K15825
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
森阪 裕之 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (70456482)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膵 / MRI / T1緩和値 / MRCP / 膵嚢胞性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
(a) 塩化ニッケルにて作製したファントムを用いた検討ではmulti-parameter mappingはreferenceに比べてT1値を過大評価する傾向が見られた。容積の計測は正確であった。(未発表) (b) 膵のT1値、容積、脂肪率の年齢と性別の影響: 159名の糖尿病および慢性膵炎既往のない成人を対象にmulti-parameter mappingを行った。膵T1値、容積、脂肪率を計測し、年齢と性別の影響を調べた。(未発表) (c) (b)に続いて糖尿病(n=73)と慢性膵炎(n=16)のある症例を対象に同様の膵のT1値、容積、脂肪率を計測した。多変量解析にて膵パラーメータは糖尿病及び慢性膵炎の有意な識別指標とはならなかった。また慢性膵炎では実質が高度に萎縮している例が多く、正確に関心領域を設定するのが難しい症例が多くみられた。(未発表) これまでの結果を踏まえ膵外分泌機能低下が期待される慢性膵炎症例において計測等のバイアスが多いと予想され、前向きに膵外分泌機能低下を膵multi-parameterによって正確に示すことは難しいと予想した。 (d) 日常臨床で遭遇する頻度の高い膵管内粘液型嚢胞性病変(IPMN)とそれに併存することの多い上皮病変(PanIN)では背景膵実質に線維化や脂肪変性、萎縮を伴うことが知られており、これらIPMN/PanIN症例で背景膵の膵multi-parameterの計測を行った。139人を対象に膵multi-parameterとMRCPを行い、MRCPでの嚢胞性病変や主膵管異常のある症例ではない症例に比べて膵T1値が高く、潜在的な線維化を反映する可能性を示した。病理学的な検討と臨床的な膵癌発生予測が今後の課題と考えている。(2023年日本医学放射線学会総会で発表。現在論文執筆中)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
後ろ向き検討の結果を踏まえ、膵外分泌機能低下が期待される慢性膵炎症例において計測等のバイアスが多く、前向きに膵外分泌機能低下を膵multi-parameterによって正確に示すことは難しいと予想された。 膵癌の早期発見への直接的な寄与ができるのではないかと考え、後ろ向きに【研究実績の概要(d)】の検討を追加した。
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Strategy for Future Research Activity |
前向きに膵外分泌機能低下を膵multi-parameterによって正確に示すことは難しいと予想している。 【研究実績の概要(d)】の検討の結果を踏まえ、短期的には膵multi-parameterと病理学的所見(膵線維化および脂肪沈着)の検討および長期的には膵癌発生の早期発見への寄与を検討したい。
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Causes of Carryover |
物品費:ファントム作製に支障が一部生じたが、外注でも難しい案件であるため。引き続き外注を中心に検討している。旅費:コロナ禍の影響もあり国際学会への参加がなかったため。今年度は現地またはオンラインでの参加を予定している。人件費:ファントム実験/ボランティア撮像が想定より少なかったため。追加で検討している。その他:主に論文執筆の遅滞によるもので翌年度は使用を予定している。
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Research Products
(1 results)