2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a novel real-time in vivo dosimetry system for highly accurate stereotactic body radiation therapy
Project/Area Number |
21K15828
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
矢田 隆一 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (50782421)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | インビボ線量計 / リアルタイム測定 / 体幹部定位放射線治療 / ミクロサイズ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、体幹部定位放射線治療(SBRT)に臨床応用できる、光ファイバー型リアルタイムインビボ線量測定システムを開発することである。 この線量測定システムを用いたリアルタイム測定により、究極の適応放射線治療を実現する。重篤な副作用を低減するとともに、SBRTの治療精度を高めることで治療成績の向上に貢献する。つまり、安全にこれまでよりも高線量を照射することが可能になる。臨床応用が可能なリアルタイムインビボ線量計の開発により、重篤な副作用を懸念して根治線量を照射できなかった症例に対する根治照射の可能性を拓く。 これまでの研究で、均質物質中での線量測定システムの精度は良好であることが分かったため、今年度は空気(ガス)や骨などを含む、より人体に近い不均質物質中での測定精度を評価した。また、正確な測定が難しい不均質物質近傍や線量勾配が非常に急峻な領域での評価のために、モンテカルロシミュレーションモデルを構築した。 骨の近傍では測定精度が悪化したが、この原因をモンテカルロシミュレーションにより算出した測定点でのエネルギースペクトルから明らかにした。これらの領域では散乱線等によりエネルギースペクトルが校正条件下より低エネルギー側にシフトしており、人体(水)に比べて検出素子の実効原子番号が高いため、過応答していた。 上記の結果を受けて、KCl:EuおよびKClBr:Euの検出素子(輝尽性蛍光体材料)の開発を行い、不均質物質中での測定精度の改善に成功した。さらに、モンテカルロシミュレーションを利用して、最適な検出素子の形状などの検討を行い、プロトタイプを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
不均質物質中での測定精度評価より、検出素子の再考が必要になり、その開発に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな検出素子(KCl:EuおよびKClBr:Eu)の開発に成功したため、そのプロトタイプを用いて、更なる不均質物質中での測定を行う。 マイクロレベルでのシミュレーションをより少ない統計誤差で行うために、より高度な計算が可能なシミュレーション環境を構築する。 より高精度な測定を行うために、蛍光体の蓄積線量を読み取るための刺激レーザーと蛍光信号を読み取る光電子増倍管の設定の調整を最適化を行う。 上記を行った後に、3次元測定に向けて、複数点測定が可能な線量計システムの開発を進める。
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Causes of Carryover |
新たな検出素子の開発に時間を要したために、より高度な計算が可能なシミュレーション環境を構築することが出来なかった。 したがって、次年度においてシミュレーション環境を構築するために使用する予定である。
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