2022 Fiscal Year Research-status Report
脳容積・白質微細構造の大規模データ解析による睡眠障害のバイオマーカー探索
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21K15833
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
早川 弥生 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (30812763)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 睡眠障害 / DTI-ALPS / PSQI |
Outline of Annual Research Achievements |
脳の老廃物排出システムとして近年注目されているglymphatic systemは、特に睡眠中に効率的に行われていると考えられ、その異常は睡眠障害のバイオマーカーとなる可能性がある。R4年度は、MRIでglymphatic systemを非侵襲的に評価できる指標であるdiffusion tensor image analysis along the perivascular space (DTI-ALPS) indexを用い、睡眠障害によるglymphatic systemの機能変化について検討した。Human connectome project(HCP)の頭部 MRI データを用い、睡眠の質の評価として Pittsburgh sleep quality index(PSQI)を使用し、PSQI6 点未満を健常群(N=54)、PSQI6 点以上を睡眠障害群(N=20)とした。ALPS-index を算出し、両群の群間比較および、睡眠障害群において ALPS-index と PSQI のスピアマンの順位相関解析を行った。その結果、睡眠障害群では健常群と比較して ALPS-index の有意な低下を示した(P<0.001)。さらに睡眠障害群において ALPS-index と PSQI との間に有意な負相関がみられた(rs=-0.46, P=0.040)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
近年注目されている ALPS indexによる解析を行い、睡眠の質と glymphatic system機能との関連を示した。 また、令和3年度に引き続き、コホート研究である文京ヘルススタディーの大規模データにおける脳容積と睡眠障害の関連について、PSQIの下位項目ごとの検討も併行して行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
ALPS indexによる解析が睡眠障害とglymphatic systemとの関連の検討に有用であることが示されたため、今後は文京ヘルススタディーのデータにも応用する。結果は随時学会や論文にて発表を行う。
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Causes of Carryover |
引き続きコロナ感染対策のため学会には主にオンラインで参加したこと、データ保存や解析等に既存の備品を用いて効率化できたことにより、効果的な研究費使用ができた。未使用額は今後の解析や学会発表、論文化費用に充てる予定である。
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