2021 Fiscal Year Research-status Report
123I-BMIPPを用いた下肢閉塞性動脈硬化症における新たな診断法の構築
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21K15834
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
大久保 亮 東邦大学, 医学部, 助教 (50516200)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 123I-BMIPP / 下肢閉塞生動脈硬化症 |
Outline of Annual Research Achievements |
下肢血流低下はしばしば下肢閉塞生動脈硬化症(ASO)の診断前に認められるが、今までには、ABI、CT、下肢動脈エコー検査などの下肢血流を評価するものがほとんであり、下肢の代謝障害を用いてASOを評価した研究はない。そこで、本研究では、心筋の代謝障害の評価において十分なエビデンスのある123I-BMIPPを下肢に応用することとした。特に、ASOの有無による脂肪酸代謝の違いを明らかにすることが可能であれば、新たなASOの評価方法を確立させることができると考えている。当初の予定においては、2020年から2021年にかけて、心疾患精査目的で2核種検査を行う患者を合計80例リクルートする予定となっていた。その後、2021年から2022年にかけては、蓄積されたデータを用いて、ASO患者と非ASO患者の下肢筋における123I-BMIPPの集積の有無、範囲、程度などを視覚的に評価し、定性的・半定量的にデータ集積を行う事、また123I-BMIPPと下肢症状およびABIとの関連性についてを検討する予定としていた。しかしながら、2020年から2021年にかけてはCOVID-19の影響が強く、入院患者数が大幅に減少した事が影響してしまい、予定していた患者数をリクルートすることが出来なかった。そのため、2022年度も患者のリクルートを引き続き行っていく。2022年は、入院患者数が次第に増加してきていることから、患者リクルートは以前に比べると難渋しないと予想される。本研究は比較的患者数が少ない研究であることから、患者リクルートが最も重要な課題であり、継続して行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は心不全、急性冠症候群をはじめとした心疾患の精査を行う患者をリクルートし、それらの患者の同意を得た上で心臓の検査に加えて下肢に対しても123I-BMIPPを用いた核医学検査を行うものである。当初の予定では2020年から2021年の間に該当患者のリクルートを行う予定であったが、COVID-19のパンデミックの影響を多分に受けてしまった。まず、当院においては全体の患者の受け入れ制限を行っていた事に加え、特に本研究の患者層に該当するような心不全症状を呈する患者の受け入れが極めて困難な時期が長く続いていたため、該当患者が著しく低下してしまった。加えて、本来は該当患者であったとしても、入院中はCOVID-19に対する院内感染予防の観点から可能な限り患者の移動制限や検査の制限が提唱されており、さらには入院期間もなるべく短期間にするように指示があったことから、該当患者に対して検査を行うことが困難となったことが原因と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19のパンデミックの影響は今後も完全には無くなることはないと考えるが、まずは予定していた患者数をリクルートしていくことが最も重要な要素と考える。幸い、現状はCOVID-19の影響は少なくなってきていることもあるため、該当患者を積極的にリクルートして患者数を増やしていきたいと考えている。また、患者数が50例程度まで到達すれば基本的なデータの収集に加えて、その時点で蓄積されたデータを用いて、画像解析、統計データ解析を開始する予定としたい。 該当患者を増やしてくための対応策としては、糖尿病、脂質異常、慢性腎臓病をはじめとした動脈硬化リスクが高い患者が入院した際には、より積極的にABIや頚動脈エコーをはじめとした動脈硬化のスクリーニング検査を行う事を予定している。
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Causes of Carryover |
当初の予定においては2021年度中に該当患者のリクルートを終える予定であったが、COVID-19の影響のためそれが叶わなかった。2022年度は該当患者が一定数に到達することを想定しているため、もともとの研究経費で請求していた下記備品が必要となる。具体的には画像解析およびデータ解析用のパーソナルコンピュータの購入、またそれらのデータを解析するための解析ソフト購入、データ管理および画像解析用のハードドライブ購入が必要となる。 また、研究成果の学会発表を予定しているため旅費も必要となる。
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