2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a new method for non-invasive observation of elastic moduli inside living bodies
Project/Area Number |
21K15837
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
亀沢 知夏 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特別助教 (60897875)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | X線イメージング / エラストグラフィ / X線エラストグラフィ / 放射光 / 実験室X線 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、3次元空間での高精度X線エラストグラフィを実現し、実用的な臨床用システム開発に向けた知見を得ることを目的としている。エラストグラフィはMRやUSで臨床の現場で用いられており、内部の弾性率を非侵襲的に画像化できる技術である。一方、X線イメージングはMRやUSとは異なる空間分解能と侵入深さを持つ利点がありながら、X線エラストグラフィはほとんど前例がない。本研究では高空間分解能で3次元的に硬さ画像(弾性率画像)を得るために、エラストグラフィをX線イメージングを用いて行う手法の基礎的知見を獲得し、臨床医学と基礎医学の両方へ貢献することを目的とする。本課題では、3次元X線エラストグラフィ用アルゴリズムの開発と実験手法の開発の両方から研究を推進する。 【現在までの状況】 2021年度までに、放射光実験により得られたX線CT画像から3D-3D位置合わせを用いて開発したX線エラストグラフィ用アルゴリズムにより解析し、ずり弾性波が3次元的に伝播している様子を得ることができた。2022年度は2021年度までに実験手法の開発と解析を進めてきた、放射光X線及び実験室X線による3次元X線エラストグラフィのデータ解析手法の開発及び論文執筆の準備を行った。データ解析について、内部のずり弾性波の伝播の様子を3次元的に詳細な解析を行い、X線エラストグラフィではなければ得ることのできない解析手法の可能性を見出した。新しい弾性率再構成方法として将来の発展の可能性がある。 【成果報告】 X線エラストグラフィの実施状況について、国内会議にて3回報告を実施し、第123会日本医学物理学会においてはICRPT Outstanding presentation award を受賞した。また、放射光を用いたエラストグラフィに関する基礎的研究に関する評価実験結果について、国内会議にて報告を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は解析手法の開発を主に推進予定しており、当初の開発方向とは異なっているが新たな解析手法の可能性を見出したため、概ね順調に進展していると考えている。 また、本研究課題では3次元X線エラストグラフィ用アルゴリズムの開発と評価実験の両方から研究を推進するが、2021年度までに主な実験データの取得を行い、放射光X線及び実験室X線を用いたデータを得られており、今後実験手法を改良するための基礎的データを得る事ができている。そのためアルゴリズムの開発及び評価実験手法の開発の両面から順調に進展していると考えている。 論文発表に関しては、新たな解析手法の開発に注力していたため発表が遅れているが、全体としてはおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
解析手法の開発に関して、当初予定していた2D-3Dレジストレーションによるずり弾性波の追跡の他にも様々な開発方法が考えられ、幅広く情報収集とアルゴリズムの実装を行いながら、X線エラストグラフィに最適な方法を開発していく。また、いままで得られているデータに関して論文発表を実施する。得られた解析結果を元に、実験系の改良を検討し、最終年度に生体実験が可能となるような手法を開発する。
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Causes of Carryover |
現地参加の国際学会にて発表等を実施する予定であったが、COVID-19のため渡航を見合わせたため残額が生じた。また論文発表が遅れているため、それらの費用を使用してていない。今年度は研究の進展に応じて論文発表および学会発表等を行っていく予定である。
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Research Products
(4 results)