2023 Fiscal Year Annual Research Report
HER2陽性乳癌前臨床モデルでのアブスコパル効果による治療法確立及びその画像評価
Project/Area Number |
21K15844
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
青木 健 滋賀医科大学, 医学部, 特任助教 (90819666)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アブスコパル効果 / HER2陽性乳癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
アブスコパル効果とは放射線治療において照射野外の腫瘍が縮小することである。その治療効果には腫瘍免疫が関与するとされている。本研究では前臨床モデルのHER2陽性乳癌に対してアブスコパル効果を用いた治療法の確立およびアブスコパル効果発現時の早期効果予測の指標となる画像所見を明らかにすることを目的とした。 前年までの実験結果で免疫学的に異常のないマウスに植え付けたHER2陽性腫瘍に対して免疫チェックポイント阻害薬である抗PD1抗体と抗CTLA4抗体を併用することで抗腫瘍効果が高まり、その機序には腫瘍抗原特異的CD8 + T細胞が関与している可能性が高いことことを見出した。この結果をもとに本年はヒトの担癌患者の免疫状態と類似したマウスであるHER2/neu-transgenicマウスでの治療を試みるためさらに抗腫瘍効果を高めること、およびアブスコパル効果発現早期時の特徴的な画像所見を同定することを目指した。 免疫学的に異常のないマウスを用いて前年度までの治療に追加して抗HER2抗体を併用することで治療効果を高めることを試みたが思ったような結果は得られなかった。これまでの内容ではHER2/neu-transgenicマウスでの治療は難しいと考えられた。 またアブスコパル効果で腫瘍のサイズが小さくなる前に治療効果を予測するための画像指標の同定を試みるため、臨床機と同様の3TMRIを用いて治療前後で複数回の画像評価を行った。治療経過で腫瘍サイズが縮小することは確認できたが、内部の信号変化に治療群による有意差を見出すことはできなかった。腫瘍サイズが小さくより詳細な評価のために4.7T動物用MRIを用いても撮影を試みたが、画質の調整に時間を要し、実際のモデルを用いた撮影には至れなかった。
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