2023 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍増殖能と間質量の統合評価による膵癌の新たな予後予測方法の特定に関する研究
Project/Area Number |
21K15847
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
藤本 憲吾 香川大学, 医学部, 協力研究員 (40807046)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 膵癌 / extracellular volume / F-18 FDG PET / F-18 FLT PET / 術前化学放射線療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、膵癌の周術期治療として生存率の改善を目標とした治癒切除可能な膵癌に対する術前補助療法が注目されている。しかし、膵癌患者全例に術前補助療法が有効かどうかは不明である。近年、細胞外容積分画(ECV:extracelluar volume)が化学療法を受けた切除不能な膵癌患者の予後予測に役立つことが報告されており、ECVが術前化学放射線療法後の膵癌患者の予後を予測できるか検討した。 術前放射線化学療法と手術を施行した膵癌患者51症例に対して術前放射線化学療法前後にECV、18F-FDG PET/CTのSUVmax、CA19-9を測定した。年齢、性別、血清アルブミン、切除可能性分類、CA19-9、SUVmax、ECV、手術の術式、腫瘍遺残、リンパ節転移、病理学的評価および術後補助化学療法の完遂を評価項目とし、全生存期間に与える影響を評価した。単変量解析でp=0.1を下回った評価項目を多変量解析すると、NACRT後のECVが48未満であること(ハザード比13.1、p=0.004)が有意なリスク因子であった。 FLTは細胞増殖期に発現されるチミジンキナーゼ1により細胞内に蓄積される薬剤であり、DNA合成能を評価できると期待されている。膵癌の術前補助化学療法に用いられるTS-1やGEMはDNA合成阻害剤であり、治療ターゲットを直接評価できる可能性がある。膵癌原発巣のFLT PET/CTにおける集積程度が術前化学放射線療法の治療効果を予測可能か検討した。対象は術前放射線化学療法と手術を施行した膵癌患者10症例。術前補助療法の前後で膵癌原発巣のFLTのSUVmaxを測定し、病理組織をEvans分類に基づき治療効果不良群:l,llaと良好群:llb~lVの2群に分類して群間比較した。FLTのSUVmaxはいずれも群間に有意差を認めなかったが、今後症例数を増やして検討していく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24症例でF18-FLT PET検査、F18-FDG PET検査、造影CTによるECV解析を術前化学放射線療法前後で施行、術前化学放射線療法の治療効果を含めた病理組織所見を取得できている。このデータを基に現在データ解析と論文作成を行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
検査および治療を遂行できた24症例の患者について予後を追跡する。 来年度はF18-FLT PETやF18-FDG PETと病理学的治療効果の相関について検討結果を報告予定である。
|
Causes of Carryover |
論文投稿費用に使用する予定であったが、論文投稿のための準備が遅れたため年度内完了が困難となった。使用計画として、投稿準備が整い次第使用する。
|
Research Products
(2 results)