2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of Compton imaging method toward quantification of astatine-211 therapy imaging
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21K15855
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
長尾 悠人 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線高度利用施設部, 主任技術員 (60622545)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | コンプトンカメラ / 標的アイソトープ治療 / RI内用療法 / 核医学治療 / アスタチン211 |
Outline of Annual Research Achievements |
体内に投与した核医学治療用アスタチン211薬剤分布の可視化においては、現在、SPECT法を利用せざるを得ないが、計測対象である低エネルギーエックス線の減弱や散乱が影響し、臓器内のアスタチン211濃度を正確に求められるほど定量性の高い画像を取得することは困難である。本研究代表者らはこの限界を突破するため、減弱の影響を受けにくい高エネルギーガンマ線に着目し、挑戦的萌芽研究(課題番号:16K15351)の助成を受けて、高エネルギーガンマ線を計測対象とした「コンプトンカメラ」の開発に着手し、試作したコンプトンカメラを用いてアスタチン211点様線源のイメージングに成功した。しかしながら、アスタチン211のコンプトンイメージングにおいては、SPECT法の計測対象であった低エネルギーエックス線由来の高カウントレートノイズが定量化の大きな障壁となることがこれまでの研究で明らかになってきた。 令和4年度は、低エネルギーエックス線による高カウントレートノイズを低減するための吸収体の検討に用いるモンテカルロシミュレータの開発を実施した。モンテカルロシミュレーションコードには、核医学分野における断層撮影を想定して開発されたGATE(Geant4 Application for Tomographic Emission)を用いた。シミュレーション空間上にコンプトンカメラを構成するシンチレータ及び反射材を配置し、前段検出器(シンチレータ)から3センチメートル離れた点から放出される511キロ電子ボルトのガンマ線を輸送・記録した。その結果、前述の挑戦的萌芽研究の助成を受けて開発したコンプトンカメラは前段検出器が後段検出器に比べて有効面積が小さく感度が低いが、前段検出器の拡張(大型化)等の改良を実施することで感度が1.6倍以上向上することが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画していたシミュレータの開発が計画通りに進まなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きシミュレータの精密化を進め、低エネルギーエックス線による高カウントレートノイズを低減するための吸収体の検討を行う。
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Causes of Carryover |
シミュレータの開発が計画通りに進まず、シミュレーション用ワークステーションの購入を見合わせたため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、次年度交付額と合わせ、当該ワークステーションの購入等に使用する。
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