2023 Fiscal Year Research-status Report
モヤモヤ病、大動脈狭窄など全身性に血管狭窄をきたす新規疾患の病態解明
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21K15858
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鹿島田 彩子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (20868004)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | RNF213 / moyamoya disease / 大動脈狭窄 |
Outline of Annual Research Achievements |
モヤモヤ病、大動脈狭窄症など全身性の血管形成異常を生じる疾患の責任遺伝子候補として同定したRNF213遺伝子のde novoのバリアントを持つノックインマウスをCRISPR/Cas9のシステムを用いて作製した。RNF213バリアントをヘテロで有するノックインマウスは、全身性の血管形成異常や血管形成能の異常を認めなかったが、ノックインマウスの表現型として、バリアントをヘテロで有するノックインマウスは生存するのに対し、ホモで有するマウスは生直後に死亡することが明らかとなった。2022年度は、ノックインマウスの死亡原因検索を行った。生直後に死亡したノックインマウスと同腹の新生仔マウスを比較検討し、死因は肺機能異常による呼吸不全が疑われた。E18.5胎仔マウスをターゲットに、解剖学的評価、組織学的解析を行った結果、大動脈、心臓、肺血管、気管軟骨の形態には明らかな異常を認めず、死亡原因は肺構造異常による機能不全と考えられた。2023年度は、バリアントをホモで有するマウスの死亡原因と考えた肺組織の組織学的検討を進めた。肺組織分葉は正常で、粗大な発生異常は認めなかったが、組織学的には肺胞や気管支内腔の形成不良を認めた。 2型肺胞上皮、1型肺胞上皮、肺線維芽細胞、クララ細胞関連蛋白の発現解析を行い、さらに肺組織のトランスクリプトーム解析を行なった。RNF213バリアントは、免疫応答に関する遺伝子の発現の亢進と細胞増殖に関わる経路の抑制が生じていることが明らかとなり、国内学会での報告を行なった。トランスクリプトーム解析で明らかになったパスウエイに関する免疫組織学的解析を進めており、論文発表の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
バリアントをホモで有するマウスの死亡原因が明らかとなり病態解析を進め、RNF213遺伝子の分子生物学的な役割を探索し、学会発表を行なった。
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Strategy for Future Research Activity |
論文投稿の準備を進めている。
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Causes of Carryover |
ノックインマウスの表現型解析に時間を要し、論文発表まで進むことができなかった。予算の繰越金は次年度の論文投稿費に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)