2022 Fiscal Year Research-status Report
白血病細胞のin vitro薬剤感受性に影響を及ぼす因子の網羅的分子遺伝学的解析
Project/Area Number |
21K15862
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
清水 大輔 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (90896317)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 白血病 / 薬剤感受性試験 / 次世代シークエンス / 分子遺伝学的解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
児白血病の予後は改善しているが、再発・難治小児急性白血病や、乳児急性リンパ性白血病は未だ予後不良であり、治療成績向上のためには、新規薬剤などを用いた治療戦略の確立が求められている。コストの安いin vitro薬剤感受性試験により、再発・難治急性白血病、乳児急性リンパ性白血病の薬剤感受性プロファイルを判明させ、特定の薬剤に感受性を持つ白血病細胞に対し、近年進歩の著しい次世代シークエンスを用いた全エクソーム解析やRNAシークエンスなどによる遺伝子発現量の解析などの網羅的解析により、薬剤感受性に関わる標的遺伝子を抽出し、薬剤感受性の背景となるbiologyを解明する。 具体的には、新規薬剤を導入した新たな薬剤感受性試験用のプレートを設計、作成をした。次に、凍結保存されている細胞株を解凍し、培養を行った。培養した 細胞株が十分増殖した後、それぞれの細胞株と臨床検体に対して薬剤感受性試験を実施した。 薬剤感受性試験で得られた結果から、特定の薬剤に感受性を持つ白血病細胞で次世代シークエンスを用いたやRNA-seqを実施し、薬剤感受性と関連のある遺伝子のfusionをpick upした。白血病と関連のあるfusion geneは複数同定できたが、何れも臨床で行われた検査ですでに同定されているものであり、薬剤感受性との関連は疑われないものだった。次に、主に分子標的薬における薬剤感受性試験結果に基づいて検体を感受性あり群となし群に群分けした。感受性あり群・なし群間でRNA-seqでの発現量に差がある遺伝子を抽出し、複数遺伝子を同定したが、薬剤感受性との関連が明らかなものはなかった。 JPLSG臨床試験の余剰検体を用いた研究が一部の研究では利用可能となったため解析を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
OVID-19の流行のためその対応に追われたこと、担当患者が増える中で小児血液・腫瘍グループのメンバーの医師5名中2名が同時に長期育休を取得したことにより慢性的に人員不足であり、臨床業務で手一杯の状態であった。 本研究課題の進捗状況については、まず、細胞株9検体と9つの臨床検体の計18検体を用いて薬剤感受性試験を行った。薬剤との関連が報告されている遺伝子をPandrugs、PubChem、DSigDbで検索した。18の検体にRNA-seqを実施し、薬剤感受性と関連のある遺伝子のfusionをpick upした。白血病と関連のあるfusion geneは複数同定できたが、何れも臨床で行われた検査ですでに同定されているものであり、薬剤感受性との関連は疑われないものだった。 次に、主に分子標的薬における薬剤感受性試験結果に基づいて検体を感受性あり群となし群に群分けした。感受性あり群・なし群間でRNA-seqでの発現量に差が ある遺伝子を抽出し、複数遺伝子を同定したが、薬剤感受性との関連が明らかなものはなかった。 JPLSG臨床試験の余剰検体を用いた研究が一部の研究では利用可能となったため解析を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
分子標的薬を含めた特定の新規薬剤に対して良好な in vitro の感受性を持つ可能性あり、現在進行中の全国規模の臨床試験からの新規検体も随時解析を行っている。 今後、JPLSG臨床試験の余剰検体を用いた研究が利用可能となった際には薬剤感受性を検討済みの余剰検体を用いた網羅的分子遺伝学的解析を開始した。
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Causes of Carryover |
COVID-19流行への対応と、小児血液腫瘍グループ医師の2名が育休により長期休暇を取得したため臨床業務で手一杯であり、当初の予想よりも研究に時間を割くことができなかった。次年度から人員が増員されるため積極的に研究に取り組んでいきたい。
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