2023 Fiscal Year Annual Research Report
てんかん性脳症の新規原因遺伝子NSFの分子病態解析
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21K15863
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
横山 淳史 京都大学, 医学研究科, 助教 (90529447)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 発達性てんかん性脳症 / NSF |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞内小胞輸送において、小胞膜とターゲット膜のSNARE蛋白同士が複合体を形成することで、膜の癒合が起こる。このような機構は神経伝達物質等の開口放出やオートファジーのような細胞内での細胞膜介在性プロセスにも深く関わっている。NSF蛋白は、ATP依存的にSNARE複合体を解離させることで、小胞輸送のリサイクルを担っていると考えられている。本研究の目的は、NSFに関連する発達性てんかん性脳症の病態解析を目的とする。 昨年度はP563Lバリアントを有する患者由来iPS細胞と、ゲノム編集によりバリアントを修復したiPS細胞からそれぞれ神経細胞を分化誘導し実験を行い、mTOR経路の過剰な活性化やオートファジー障害がNSF関連発達性てんかん性脳症の病態に関与することを報告した。今年度は、別のNSF関連発達性てんかん性脳症患者で同定されたバリアント、A459Tでの再現性を確認するために、健常者から樹立したコントロールiPS細胞株を元にして、CRISPR/Cas9ゲノム編集技術を用いてNSF遺伝子にA459Tバリアントを導入したiPS細胞株を樹立した。まず、コントロールiPS細胞株およびA459Tバリアント株を用いて神経分化誘導法の最適化を行った。さらに、分化誘導した神経細胞においてmTOR経路やオートファジーの評価、神経変性所見の有無について評価を行った。その結果、P563L株由来の神経細胞と同様にA459T株において軸索変性所見等の所見を認めた。
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[Presentation] Elucidation of the pathomechanism of NSF-related developmental and epileptic encephalopathy2023
Author(s)
Takahiro Hayashi, Naoko Yano, Kengo Kora, Atsushi Yokoyama, Taisei Kayaki, Kinuko Nishikawa, Mitsujiro Osawa, Akira Niwa, Toshiki Takenouchi, Atsushi Hijikata, Tsuyoshi Shirai, Kenjiro Kosaki, Megumu K. Saito, Junko Takita and Takeshi Yoshida
Organizer
第65回日本小児神経学会学術集会