2022 Fiscal Year Research-status Report
PRDM16高発現難治小児AMLに対するエピゲノム解析に基づいた新規治療法の開発
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21K15870
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
辻本 信一 横浜市立大学, 医学部, 助教 (50838034)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | AML / 脱メチル化剤 / シタラビン / ベネトクラックス |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに我々は、PRDM16高発現AMLの薬剤耐性機序と薬剤体制の解除について検討するためのin vitorでのassay及びモデルの作成を行った。PRDM16高発現の細胞株の同定、およびマウスモデルの作成を行い、マウスモデルの樹立およびマウスsPrdm16高発現AML細胞の樹立を行った。本年度は、上記細胞株及びモデルから作成した細胞株を用いてシタラビンなど既存薬の薬剤感受性試験を施行した。その結果、sPrdm16高発現細胞は、有意にシタラビン耐性であることを確認した。これまでの研究で、PRDM高発現AML細胞は、ゲノムワイドに高メチル化であることまたHOXA,HOXBなどの遺伝子が高度にメチル化されていることを確認した。これらの結果をもとに、脱メチル化剤であるアザシチジン、HOX遺伝子異常を有するAMLに有効であることが予測されるベネトクラックスの薬剤感受性を実施した。当初の予想通り、アザシチジン、ベネトクラックスは有用であることがわかった。さらに、シタラビン、ベネトクラックス、アザシチジンのそれぞれ単剤、併用療法の検討をin vitro modelで実施をすすめており、preliminaryな結果として、併用療法が有効であることがわかってきた。現在、sPrdm16高発現AML細胞株のRNA シークエンス解析などを行い、発現変動遺伝子や耐性化メカニズムの解明をすすめている。次年度は、上記薬剤の併用効果をin vivoモデルで検証するとともに、シタラビン耐性化メカニズムの詳細を検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画案通りに順調に進んでいる。in vitro modelでの検討は順調に進んでおり、臨床的には有用な結果が得られており、臨床応用にむけたin vivoモデルの検証をすすめていければと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
in vivoモデルでの薬剤の有効性を検証するとともに、PRDM16高発現AML細胞のシタラビン耐性化メカニズムについても検討を進めているため、次年度でこの2つの課題を解決していく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度については、新型コロナウイルス感染状況の影響により国内外の学会参加について現地参加が不可能であったため当初の予定で支出予定であった旅費など については使用することがなかった。また、薬剤・細胞株などの物品に転用して使用する予定であったが、こちらも上記の感染状況などにより当初より納入が遅 れるなど物品購入の目処が年度をまたぐ形となってしまったため、次年度に繰越を行い、次年度に当初の購入予定であった試薬、消耗品、遺伝子解析費用、マウス購入費用などを購入する予定としている。
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