2022 Fiscal Year Annual Research Report
川崎病モデルマウスの胸腺における中枢性トレランスの病態への影響の検討
Project/Area Number |
21K15901
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
佐藤 知実 滋賀医科大学, 医学部, 特任助教 (50874921)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 川崎病 / 胸腺 / 中枢トレランス / 胸腺髄質上皮 / FK565 |
Outline of Annual Research Achievements |
FK565誘導川崎病モデルマウスにおける胸腺の解析を行った。FK565マウスは通常、免疫後7日目に解析されることが多いが、7日後には胸腺が委縮し、消失していたり小さく線維化していることが多いので、免疫後1日目の胸腺を解析に用いることとした。 ① 胸腺フローサイトメトリー解析:FK565誘発川崎病モデルマウスのこれまでの予備的解析で、胸腺が著明に萎縮し、その細胞数と質量が減少していた。白血球の表面抗原を染色する抗体を購入し、フローサイトメトリー法で解析すると川崎病モデルマウスでは、CD4陽性T細胞、CD8陽性T細胞も減少していたが、特にdouble positive T細胞が減少しており、胸腺髄質上皮の機能の低下が示唆された。 ② 胸腺免疫組織染色:抗ケラチン14抗体で胸腺の髄質上皮細胞を免疫染色し、同定でした。髄質上皮細胞は川崎病モデルマウスでも見られたが、髄質に存在するT細胞が減少していることが分かった。CD4、CD8を共染色するとdouble positive T細胞も減っていた。FK565が血管からの幼若Tリンパ球の遊走を阻害している可能性が考えられた。 ③胸腺mRNA解析:胸腺をtrysolで処理し、mRNAを抽出しqPCR解析を行った。胸腺でのTリンパ球の分化、移動に関わる分子であるAIRE、PD-1のプライマーqPCRを行ったが川崎病モデルマウスの胸腺でAIREとPD-1のmRNA発現は低下しておらず、他の要因が関係していると考えられた。今後異なる分子のプライマーを用いてqPCRを行い、川崎病モデルマウスでFK565がどのように作用してdouble positive T細胞が減少するのかを詳しく調べる予定である。
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