2021 Fiscal Year Research-status Report
骨形成不全症モデルマウスの作製と4-フェニル酪酸の効果と作用機序の検証
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21K15902
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武鑓 真司 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (70774454)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 骨形成不全症 / 疾患モデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者が独自に作製した、Col1a1遺伝子にグリシン置換変異を持つマウス(Col1a1G810S/+マウス)について、骨形成不全症の表現型を呈するかどうかを確認した。 まず、体重についてはCol1a1G810S/+マウスは野生型マウスと比較して有意に体重が小さかった(オス:野生型マウス=28.2±2.4g(数値は平均±SD), Col1a1G810S/+マウス=25.7±1.7g, p=0.012、メス:野生型マウス=22.2±2.2g, Col1a1G810S/+マウス=20.2±0.9g, p=0.015)。 次に、マイクロCTによる骨構造解析では、第5腰椎海綿骨のBV/TVはCol1a1G810S/+マウスで有意に低く(オス:野生型マウス=32.6±2.4%, Col1a1G810S/+マウス=22.6±3.8%, p<0.01、メス:野生型マウス=26.1±2.9%, Col1a1G810S/+マウス=15.1±3.0%, p<0.01)、大腿骨遠位部海綿骨のBV/TVもCol1a1G810S/+マウスで有意に低かった(オス:野生型マウス=16.6±3.0%, Col1a1G810S/+マウス=11.3±3.7%, p<0.01、メス:野生型マウス=5.8±1.9%, Col1a1G810S/+マウス=2.8±1.0%, p<0.01)。また、大腿骨中央部の皮質骨体積はCol1a1G810S/+マウスで有意に低く(オス:野生型マウス=0.92±0.07mm3, Col1a1G810S/+マウス=0.83±0.07mm3, p<0.01、メス:野生型マウス=0.74±0.05mm3, Col1a1G810S/+マウス=0.68±0.05mm3, p=0.016)、骨髄体積もCol1a1G810S/+マウスで有意に低かった(オス:野生型マウス=1.09±0.15mm3, Col1a1G810S/+マウス=0.75±0.07mm3, p<0.01、メス:野生型マウス=0.86±0.08mm3, Col1a1G810S/+マウス=0.64±0.05mm3, p<0.01)。 以上の結果より、Col1a1G810S/+マウスは体格が小さく、骨量が低下しており、骨形成不全症の表現型の一部を有していることを確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
独自に作製した遺伝子変異マウスについて、当初の目的である骨形成不全症の表現型を呈することが確認できたため、おおむね順調であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、まずは申請者が独自に作製した、Col1a1遺伝子にグリシン置換変異を持つマウス(Col1a1G810S/+マウス)について、骨形成不全症の表現型である骨脆弱性を呈するかどうかを引き続き確認し、次に、4-フェニル酪酸を経口投与することで骨脆弱性が改善するかどうかを検証する。
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Causes of Carryover |
動物実験施設の改修工事が行われたため、当初の予定より実験期間が短くなり、当初の予定より実支出額が減少した。 当該年度に行うことができなかった実験と翌年度に行う予定である実験を行うために、翌年度に繰り越した助成金と翌年度分として請求した助成金を合わせて使用していく。
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