2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the pathogenesis of endoplasmic reticulum stress in congenital neutropenia based on proteome analysis
Project/Area Number |
21K15905
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
溝口 洋子 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (30750533)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 好中球減少症 / ELANE異常症 / 小胞体ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
まずプロテオーム解析で示された結果の正確性について、先天性好中球減少症(CN)患者の好中球を用いて、実際にGSTP1の低下及び小胞体ストレス(UPR)亢進が認められるか、immunoblotting法を用いて検証を行った。ELANE異常症、SRP54異常症、周期性好中球減少症のすべてのCN患者において、GSTP1の低下と、UPRの指標であるBipの上昇を認めた。またUPR以外の他のアポトーシス関連因子についても検討を行った結果、発現上昇を認めた。これらはプロテオーム解析で得られた結果と同等の結果であった。次に正常iPS細胞を用いてCRIPR/Cas9法によるGSTP1遺伝子の遺伝子破壊を施行し、CNにみられる好中球分化障害が認められるか検討を行ったが、分化障害はみられなかった。GSTP1の単独欠損のみでは好中球分化へ影響がないことが示されたため、さらなる分子学的病態について解析を行うため、ELANE異常症患者由来iPS細胞(CN-iPSC)において、ELANE遺伝子をCRIPR/Cas9法を用いて遺伝子破壊を行い(CN-iPSC-NE KO)、好中球分化障害に改善が得られるか検討したところ、分化障害の改善を認めた。現在CN-iPSC、CN-iPSC-NE KO、正常iPSCを好中球分化させ、好中球前駆細胞である前骨髄球をsortし、RNA-seqを施行し解析を行っている。UPR関連(Bip, Chop, ATF4)、MAPKシグナル経路(p38, JNK)、細胞周期関連分子(CyclinD, CDK)のみならず、ずべての遺伝子発現量を比較検討とすることで、標的分子を絞り込む予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
GSTP1遺伝子の破壊による好中球分化障害がみられなかったため、他の分子学的病態について検索を行うためRNA-seqを施行したため。
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Strategy for Future Research Activity |
RNA-seqの解析によるCN-iPSC-NE KOや正常iPS細胞と比較し、CN-iPSCで低下、もしくは上昇している分子を同定することで、小胞体ストレスやアポトーシスに関連する分子の探索を行い、さらなる病態解明につなげたい。
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Causes of Carryover |
当初の計画では2021年度に遺伝子発現パネルを作成し次世代シークエンサーを用いた解析を行う予定であったが、次年度に繰り越したため。残額は2022年度に繰り越し、iPS関連試薬及び次世代シークエンサー解析関連(試薬、測定)に費用をあてる予定である。
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Research Products
(7 results)