2023 Fiscal Year Annual Research Report
オンチップ血管網を用いたSturge-Weber症候群モデル構築と発症機序の解明
Project/Area Number |
21K15909
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
坂野 公彦 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (40865630)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 血管内皮細胞 / 1細胞解析 / 灌流 / スタージ・ウェーバー症候群 / iPS細胞 / ゲノム編集 / オンチップ血管網 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、ゲノム編集技術を用いて作製したスタージ・ウェーバー症候群(SWS)モデルiPS細胞を用いて、①オンチップ血管網作製技術、および灌流システムを構築することで、詳細なスタージ・ウェーバー症候群モデルを樹立し、②本症候群における血管奇形発症の病態に関与する遺伝子・遺伝子経路の探索を行うとともに、③正常、および様々な疾患の血管網に対して、灌流刺激がもたらす生理機構や、病態形成機構を解明することを目指して研究を遂行した。
まず、我々がこれまでに作製したSWSモデルiPS細胞、および正常コントロール(WT)iPS細胞の両者から、血管内皮細胞への効率的な分化誘導を行った。誘導した血管内皮細胞を用いて、微小デバイス上にて、血管網形成を行うことができ、さらには形成された血管網に灌流刺激を与える実験系を確立した。その後、SWSモデルiPS細胞およびWT iPS細胞から作製した血管網構成細胞を用いたシングルセルRNAシークエンス解析を行った。各種プロットの作成、各クラスターで有意に発現の高い遺伝子の同定、さらにパスウェイ解析(KEGGおよびReactome)を行い、SWSモデル血管網で灌流を行った際にのみ特異的に正に制御される遺伝子や遺伝子経路を複数同定することができた。同定された遺伝子産物の免疫蛍光染色や、各血管網における血管透過性の血管機能評価も併せて行うことができた。また、新たな形状のデバイスにおける灌流実験や、灌流を模倣する薬剤負荷実験等も行ったところ、SWSモデルに特異的な遺伝子発現変化が認められた。本研究を通して、SWSのさらなる病態解明を進めていくために重要な数々の結果を得ることができた。
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[Journal Article] Origin, prospective identification, and function of circulating endothelial colony-forming cells in mice and humans.2023
Author(s)
Lin Y, Banno K (筆頭著者, 責任著者), Gil CH, Myslinski J, Hato T, Shelley WC, Gao H, Xuei X, Liu Y, Basile DP, Yoshimoto M, Prasain N, Tarnawsky SP, Adams RH, Naruse K, Yoshida J, Murphy MP, Horie K, Yoder MC.
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Journal Title
JCI Insight
Volume: 8
Pages: e164781
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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