2021 Fiscal Year Research-status Report
炎症性腸疾患の多様化を見据えた新規インフラマソーム標的治療法の開発
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21K15920
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
前田 啓子 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (00830291)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 炎症性腸疾患 / 抗体治療 / インターロイキン18 |
Outline of Annual Research Achievements |
炎症性腸疾患 (IBD)は、全国で30万人(全世界では500万人)程度の患者が想定され、若年層を中心に急増している。生物学的製剤の出現は、治療の変革をもたらしたが、約半数の患者で治療抵抗性を認め、病態に応じた治療法の確立が急務である。研究代表者らは、抗TNF-α抗体、抗IL-12/23抗体製剤に治療抵抗性のIBD患者の血液、腸管上皮・間質組織において、インフラマソーム関連サイトカインであるIL-18が高発現することを見出した。 インターロイキン18(IL-18)が、難治例の新規治療標的となる可能性を考え、抗ヒト活性型IL-18中和抗体の樹立を行った。本年度は、作成した抗ヒトIL-18中和抗体の腸炎抑制効果、機序の解析をIBDモデルマウスを用いて検証した。IL-18中和抗体は、2種類のIBDモデルマウス(デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘導性腸炎、トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)誘導性腸炎モデルマウス)の腸炎を改善することを同定した。抗体投与群では,コントロール群と比較して、有意に体重減少の抑制、腸炎活動性スコアの改善を認めた。 機序として、DSS誘導性腸炎においては、炎症性サイトカインであるIFN-γ、TNF-αやケモカインであるCXCL2の産生抑制に加え、腸管上皮細胞のバリア機構を改善し、透過性を制御するタイトジャンクションの構成分子の発現低下を改善した。また、IL-18抗体投与群では、腸管粘液を分泌する杯細胞の数が増加していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
作成した抗IL-18中和抗体の腸炎抑制効果が、2種類のIBDモデルマウスで確認できた。機序としては炎症性サイトカイン、ケモカインの産生の抑制とともに、腸管上皮の防御機構に関連する機構の関連も示唆され、従来の治療薬とは異なる腸炎抑制機構を有している可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
IL-18中和抗体の投与による腸内細菌叢への影響、杯細胞の数の減少との関連を解析し、腸炎を抑制する機序を解明する。また既存治療である抗TNF-α抗体製剤や抗IL12/23抗体製剤との治療効果の比較や機序の違いについても検証する。 次に、抗体の安全性の確認、有効用量の設定を検証する。また、名古屋大学医学部附属病院のIBDデータベースを利用した血清IL-18高発現群の予後、臨床的特徴、インフラマソームの構成分子であるNLRP3、NLRC4遺伝子変異、粘膜関連細菌叢の解析を行う。
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Causes of Carryover |
動物実験に使う試薬が、以前に購入したものが残っており、新規で購入する必要がなかった。次年度は、腸内細菌叢の解析など新たな実験を行うため、新たな試薬の購入が必要である。また臨床検体の解析も予定しており、解析のための試薬の購入を行う予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Gelsolin as a Potential Biomarker for Endoscopic Activity and Mucosal Healing in Ulcerative Colitis2022
Author(s)
Keiko Maeda , Masanao Nakamura, Takeshi Yamamura , Tsunaki Sawada, Eri Ishikawa , Akina Oishi , Shuji Ikegami , Naomi Kakushima , Kazuhiro Furukawa , Tadashi Iida , Yasuyuki Mizutani , Takuya Ishikawa , Eizaburo Ohno, Takashi Honda , Masatoshi Ishigami , Hiroki Kawashima
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Journal Title
Biomedicines
Volume: 10(4)
Pages: 867-872
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Preliminary Comparison of Endoscopic Brush and Net Catheters as the Sampling Tool to Analyze the Intestinal Mucus in the Rectum with Ulcerative Colitis Patients2022
Author(s)
Masanao Nakamura, Keiko Maeda , Kenta Yamamoto , Takeshi Yamamura , Tsunaki Sawada, Eri Ishikawa , Naomi Kakushima, Kazuhiro Furukawa , Tadashi Iida , Yasuyuki Mizutani , Takuya Ishikawa , Eizaburo Ohno , Takashi Honda , Masatoshi Ishigami , Hiroki Kawashima
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Journal Title
Digestion
Volume: 103(3)
Pages: 232-243
DOI
Peer Reviewed
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